/dev: スターガーディアンのナラティブ
LoLプレイヤーの皆さん、そして物語ファンの皆さん、こんにちは!Stephanie
“Riot Lady Smalls”
Bedfordです!LoLとワイルドリフトでナラティブプロデューサーを務めており、スターガーディアンの担当でもあります!
ナラティブチームが/dev
blogを担当するのは、ずいぶんと久しぶりになります(前回は2019年で、あの頃はみんな若かったですね!)。あれ以来、私たちはword
mines™(世界観の鉱山)を掘り続けていましたので、ここで皆さんとお話しできることを本当に嬉しく思っています。前回の投稿の頃と比べると、LoLのナラティブチームは大きく変わっており、紹介すべき新たなライアター(私もそのひとりです!)はたくさんいますし、チームに復帰した人も何人かいます。
今年のスターガーディアンの物語を作っていくにあたり、私たちは光の番人イベントの振り返りで約束していたことを必ず実現したいと考えていました。この記事では、そういった今年のスターガーディアンイベント開発の舞台裏についてお話ししていきます。
スターガーディアン2022:星に刻まれた物語
私たちはスターガーディアンに再び焦点を当て、2019年に始まった物語をさらに発展させることをとても楽しみにしていました。物語の発表以来(またはそれ以前から!)、世界中で数多くのプレイヤーがスターガーディアン世界のファンになっており、私たちはすぐにでも皆さんを再びこの世界にお連れしたいと思っていたのです。スターガーディアンはライアット社内にも多くのファンがいるテーマの一つであり、私たちが新たな物語を発表するたびに、たくさんの人々がそれに没頭してくれることをとても嬉しく思っています。
今年どのような物語をお届けするか考えた際、私たちは物語の新チャプターを作り上げていくうえで優先すべき、全体的な目標を設定しました。私たちは過去の物語に敬意を表し、ラックスが率いていたチームを「伝説の存在」という地位に押し上げ、彼女たちがこの世界に与えた影響を示すことで、新世代のガーディアンたちが活躍できるスペースを設けつつ、過去のガーディアンの成功と失敗が築いた価値観に彼女たちが挑戦する物語にしたいと考えたのです。簡単に言うと、自我や人間関係、チームへの帰属意識など、私たちの誰もが経験するようなトピックに焦点を当てたいと考えました…もちろん、高校での勉強に励みつつも、世界を救うために魔法を使って戦うスーパーヒーローたちの物語を描きながらです!つまり、私たちの「誰もが」共感できるような物語を作り上げるのです。
開発当初から、ナラティブチームはイベントが複数のゲームで一貫性を持って描かれるよう、戦略的に計画を立てていました。このイベントは『リーグ・オブ・レジェンド』、『ワイルドリフト』、『レジェンド・オブ・ルーンテラ』で企画されていたため、ライアットの全ゲームで統一感のあるスターガーディアン ユニーバースを体験できるようにしたかったのです。
また、「光の番人」、「精霊の花祭り」、「RiotxArcane」の各イベントで学んだ教訓を活かして、スターガーディアンは過去のストーリー主導イベントよりも規模を拡大し、質も高めたいと考えていました。それを受け、どの媒体でもスターガーディアンがスターガーディアンらしく感じられるように、私たちはストーリーテリングの専門家として、他のチームに十分な情報を提供することが不可欠だと感じました。私たちはこのユニバースの真実、そして私たちが伝える物語に、プレイヤーの皆さんが没頭できるようにしたかったのです。この考えは開発に関するさまざまな話し合いにおいて、私たちが目指す先を示す「北極星」(!)として役目を果たしました。
以下はスターガーディアンに命を吹き込むための基礎となった、ナラティブのピラー(柱となる部分)です。
- 今年のイベントのナラティブと、過去のスターガーディアンの物語に一貫性を持たせる
- 過去の物語で起きた出来事との繋がりを、今後の物語においても感じられるようにする。キャラクターやストーリーの変遷に矛盾を作らない
- ナラティブに関する要素はすべて、スターガーディアンの正史となるタイムライン上で起きているものにする。物語の時系列や連続性を維持し、既存の出来事を描き直さない
- いずれのコンテンツも、スターガーディアン ユニバースのトーンやテーマのピラーに合わせる。派生プロダクトや関連メディアに変化を持たせることは認められるが、核となる事実は一致させる
ナラティブの一貫性はスターガーディアンの最優先事項だったので、LoLのナラティブチーム(PC版LoLとワイルドリフトの両方を担当)は、ライアット内の他のチームと緊密に連絡を取り合い、スターガーディアン関連のあらゆるコンテンツに一貫性を持たせ、共通する一つの物語を伝えられるよう心掛けました。また、将来描かれるスターガーディアンの物語のことも念頭に置いて作業を行いました。なぜなら、ヴァロランシティが舞台になることだけは確実だったからです。
また、過去の物語から生じた「ツケ」を支払う必要もありました。簡単に言うと、すでに描かれている一部のキャラクターの物語を発展させ、既存の物語に存在する不必要な曖昧さを排除していくのです。これを行うため、私たちは他のチームと協力ながら、スターガーディアンイベントに合わせてリリースされたEverything Goes OnやVlog、コミック、その他のコンテンツで、スターガーディアンの核となる友情の設定や時系列に矛盾が生じないよう注意を払いつつ、「スターガーディアン ザヤ&ラカン」といったキャラクターのその後を描く、ワイルドリフトでの物語を作っていきました。
ナラティブ制作プロセスに関する以下のパートは、少しややこしく感じるかもしれませんが、私たちがこれを考えるためにどれだけの時間を費やしたか説明しておくことは重要だと思ったので、お話ししておきます。
私たちはあらゆるコンテンツが組み合わさって、一貫性のある一つの物語を伝えられるよう、スターガーディアンに関わるすべてのチームと密接に協力しながら作業を進めました。スターガーディアン
セラフィーンのVlog、新たな夜空、Everything
Goes
On、疑念の影、ユニバース「ツインスター」、スキンなど…長くなるので全部は列挙しませんが、LoL、ワイルドリフト、レジェンド・オブ・ルーンテラで皆さんが目にする、あらゆるコンテンツに注意を払いました。
私たちは物語に関する資料を作成して(その数は膨大です…)、ライアット社内はもちろん、外部のパートナーにも提供しました。というのも、イベント関連記事の公開日といった些細なものを含め、このキャンペーンに関するあらゆる判断が、全体的なストーリーやその伝え方に影響を及ぼす可能性があったので、ナラティブが与える影響を最優先に考慮して、慎重に制作を続ける必要がありました。プレイヤーがイベントを体験する前に、「新たな夜空」の結末をネタバレしてしまうわけにはいかなかったのです!
この取り組みにより、スターガーディアン2022に関するあらゆる制作プロセスを通して(制作は2021年から始まっていました!)、ナラティブ全体の準備をしっかりと整え、皆さんに物語をより強くアピールすることができました。些細なことではありますが、この取り組みの効果は、ゲーム間のアートスタイルの一貫性やスキンの効果音、イベント開始前に正史として公開されたこれまでのスターガーディアンの記事など、さまざまな面で見ることができます。さらに私たちの目標は、これまでのスターガーディアンについて知らない人でも、このイベントに気軽に参加して楽しめるようにすることでした。長い時間をかけて制作したものをあらゆるプレイヤーに楽しんでもらえるよう、世界観に入り込むために邪魔となる障壁をできる限り排除したかったのです。
社内での動きについて話すと、メディアやゲームの垣根を越えて、このイベントのあらゆるコンテンツが連動して機能するよう、私たちはナラティブのすり合わせを目的とした専用ミーティングを毎週実施していました。制作プロセス全体を通して、パートナーの皆さんがこの取り組みを尊重してくれたおかげで、何か問題に直面しても、直ちにクリエイティブな解決策を見つけることができました。ストーリーを事細かく説明できるナラティブの担当者を設けていたことで、プレイヤーの皆さんがイベントをプレイした際、イベント全体のストーリーに一貫性を感じてもらえたらな幸いです。
また、各地域のチームもスターガーディアン ユニバースを輝かせるさまざまな方法を考え出し、その地域でのイベントを実施して、このユニバースの発展に繋げてくれました。世界中のたくさんのパートナーに協力してもらい、彼らの物語に関する質問に答え、独自性の高い体験を作り出せたことは、本当に素晴らしい体験でした。
感謝を込めて
今年のスターガーディアンイベントの制作に、私たちは楽しんで取り組みました。これもすべて、物語の構築に熱心に協力してくれた、数多くの素晴らしいライアターたちのおかげです。このような規模なイベントの制作には、数多くの人たちが関わることになります。ここではひとつの部門しか取り上げていませんが、今回のイベントの開発に多大な貢献を行ってくれた方々の名前を、以下に掲載しておきたいと思います。
イベントナラティブプロデューサー:Stephanie Bedford
イベントリードライター:Jared Rosen
「新たな夜空」のライター:Jared Rosen、Ty Sheedlo、Taylor Dinwiddie
「新たな夜空」のエディター:John Chambers、Anastasia Basil
PC レジェンダリー スクリプト:Michael Luo、Brooke Jaffe、Nicholas Werner、John Chambers
ニーラ(ナラティブ):Jared Rosen、Elan Stimmel、John Chambers
これまでのスターガーディアン:Erika Haas、Stephanie Bedford
LoLソーシャル&ウェブサイト:Caytie Davenport、Ty Sheedlo
Everything Goes On:Bethany Higa、サポートライター:Phillip Vargas、Cat Cheresh、Caytie Davenport、Julia Shen、Winnie Huang
疑念の影:Brooke
Jaffe、Calle
C. Miller
悪役「スターネメシス」の開発:Kenny
Cameron
ワイルドリフト メタゲーム ライター:Ty Sheedlo
ワイルドリフト メタゲーム エディター:Nicholas Werner、John Chambers
ワイルドリフト レジェンダリー スクリプト:Nicholas Werner、John Chambers
ワイルドリフト Vlogs:Cat Cheresh、Phillip Vargas、Julia Shen
ワイルドリフト コミック:Callie C. Miller、Jared Rosen、Sabrina Futch、Molly Mahan
ワイルドリフト ソーシャル&ウェブサイト:Julia Shen
ツインスター:Cat Cheresh、Siege Gary、Phillip Vargas
レジェンド・オブ・ルーンテラ スターガーディアン カイ=サ:Conor Sheehy、Rowan Williams
レジェンド・オブ・ルーンテラ フレーバーテキスト:Esther Kao
レジェンド・オブ・ルーンテラ ソーシャル&ウェブサイト:Winnie Huang、Esther Kao
そして最後に…過去も、現在も、そして未来においても、スターガーディアンはファンによるファンのためのラブレターです。これらすべては、世界中のプレイヤーの皆さんの支援と理解がなければ成し遂げられませんでした。このようなイベントが実現したのは、何よりも皆さんのおかげです!