/dev: ドクター・ムンドVGUの最新情報

ムンドはまだ手術台の上ですが、そろそろ定期検診のお時間です。

皆さんこんにちは!ドクター・ムンドのチャンピオンアップデートに関する前回の進捗報告からしばらく時間が経ってしまいましたが、おかげでお見せしたいものがたくさん揃いました。今やプロダクションが絶賛進行中なので、今回は最新のキャラクターモデル、アニメーション、VFX、SFXなどをお見せしていきます。それから最後には「オークムンド」スキンもちょっとだけお披露目しますね。

では本題に入る前に、前回までのおさらいを。

ドクターの名を冠して

まず、ドクター・ムンドのVGU(ビジュアル・ゲームプレイ・アップデート)では3つの目標を立てていました。

  1. ビジュアルとテーマをアップグレードすること。単に見た目を改善するだけでなく、長い年月の間に進化を遂げたLoLのビジュアルスタイルに合致するものにする。
  2. 超再生によるスーパータンク性能とクリーバーを投げつけるという彼の象徴的な部分を残しつつ、スキルセットを改善する。
  3. 非常にシンプルなチャンピオンであることを変えない。


プロジェクト初期に苦労した点のひとつとして、「ドクターというテーマはどう扱うのが適切か?」という問題がありました。かつては名ドクターだった狂人なのか、狂人だけど名ドクターなのか…?といった具合です。しかし第一弾の記事公開後に寄せられたフィードバックをひたすら読んでいくと、多くの方はムンドの「楽しくコミカル」な点を重視していることが判明しました。そこで私たちはLoLチャンピオンたちの中でも極めてユニークな「ダークコメディー」というテーマを採用することにしています。

ゲームプレイの面では、いくつかの方向性で新スキルセットを試した結果、足を止めるのが極めて難しいチャンピオンというアイデアが特にしっくりきました。ただしCC(行動妨害)耐性はどんな形であっても強力なものですから、その代償として機動性とハードCC(スタンなどの強力な行動妨害)を持たせないようにしています。そしてもちろん、クリーバーはしっかり投げるようにしました。

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最後にコンセプトアートについて。前回公開したアートには「ムンドにしては髪が整いすぎているのでは」という声が寄せられていました。そこでチーム内で議論を重ねたのですが、結果的に確かにそうだと同意に至り、少し髪型を乱れさせることにしています。

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ではでは…お待ちかねの新情報です!

狂人名ドクターの大脱走

Edgar “SpaceReptile” Monteon - キャラクターアーティスト

キャラクターアーティストの僕は、ムンドのアップデートプロジェクトに参加できると聞いてあっという間に夢中になりました。

ムンドのビジュアルはまず彼の個性を確立するためのコンセプトアート制作から始まり、その後各ビジュアル要素を「消化」して作り込んでいく段階へ進みます。開発期間中、僕はムンドのサンダル、ダイヤル、破れた衣服が新ビジュアルの紡ぐ物語を余すところなく表現するものとなるようしっかりと時間を取って作り込んでいきました。個人的にはこの作業が本当に没入感溢れる体験で、非常に勉強にもなる大変楽しい時間でした。その成果が今回紹介する下のモデルです。

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ムンドの新モデルとテクスチャを作成している間は、他のアーティストたち(アニメーターやVFXアーティストなど)が彼を更なる高みへと押し上げるための舞台を誂えているような気持ちでした。もちろん製作中は、旧ムンドが持つ魅力をキープする方法も模索しています。ビジュアル面から見た彼の個性は服に収まりきらないほど逞しい肉体にあり、それが彼の恐ろしさと力強さを生み出しているというのが僕の理解です。

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新生ムンドには、片足だけのソフトサンダル、過去が垣間見えるように何層にも重ねられたアニメーションなど、これまでの人生が垣間見える部分をたくさん用意してあります。ムンドが過酷な改造手術を受けた後に脱走したのは誰の目にも明らかでしょう。身につけている服や手にしている武器もまた、ムンドが直前までどんな状況にあったのかを物語っています。そういう細かな要素を一つずつ作り込んでいくのは本当にワクワクする体験でした。

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ひどくおバカで本気で怖い

Drew “sandwichtown” Morgan - リードアニメーター

プロジェクト初期の模索フェーズでは、ムンドのおバカな側面に注目し、あの滑稽な雰囲気を限界まで突き詰めるべく探り続けました。ムンドの独自性を支える柱のひとつである「マヌケさ」と「異質さ」を極めようとするのは本当に楽しい仕事でした。ただし、同時に危険な雰囲気を漂わせる必要があることも理解していたので、「本気で怖い」と「ちょっと可笑しい」を両立させるのには本当に苦労させられましたが…。現在は重量感と力強さをゲームプレイの核に据え、お調子者っぽい要素をちらほら含めるようにしています。

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実はQスキルのアニメーションは当初ジャンプスローにしていて、実際のプレイ感も良かったのですが、これではちょっと浮つきすぎ・のんきすぎると判断してボツにしています。現在はクリーバーに体をぐっと寄せ、一瞬だけ歩幅を縮めて投げつけ、直後に前進を再開して鞄から新しい武器を取り出すアニメーションになっています。クリーバーを投げる瞬間も歩みを止めないことで、絶対に前進を止めないというムンドの意志が表現できたのではないでしょうか。

一方でタワーへの攻撃は彼の「おバカさ」と痛覚を持たない点を表現するものになっています…

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またダンスやタウントなどは、滑稽さを重視した表現に最適なのでそのようにしていますが、通常アニメーションは誰にも止められない怪物のような感覚で統一しています。ムンドは繊細な人物ではなく、抑制と呼べるものは一切受けていません。ということは、一挙手一投足が100%の全力であるべきでしょう。彼は「抑える」術を知らないからこそ、制御不能で危険なわけですから。

化学強化された肉体

Jason “LankyTree” Chisolm - VFXアーティスト

プレイヤーとして長年LoLを遊んできた私にとって、VGUプロジェクトは特に楽しみな仕事の一つです(それがドクター・ムンドのように象徴的なチャンピオンとなればなおさら!)。私はどのプロジェクトでも、まずVFXの柱となる要素──プロジェクトのガイドライン的存在──を決めるところからスタートします。作成するすべてのエフェクトはこの柱に由来し、それを強調するためのものとなります。

そして本プロジェクトにおける柱のひとつは「化学強化された肉体」というものでした。ムンドの過剰なほどの身体強化と痛覚無視は、「化学的肉体改造と人体実験の結果である」ことをしっかりと表現したかったのです。最も顕著な例はムンドのULTでしょう。発動した瞬間にHPを回復し続ける怪物になるお馴染みのあれです。チームとしてはこの部分を特に強調し、プレイヤーの目を引きつけるものにしたいと考えていました。

ではここで、ムンドの大きな鞄の中にある不安定な薬物と医療器具がどんな風に使われるのか見てみましょう。

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さて、こんな大変身を強調する手法ってどんなものでしょうか?実はその手法はシンプルで、体を大きくしています…ジャケットが破れて数多のバックルが弾け飛ぶほど。それをゾウンの薬品がさらに彩り、おなじみの色合いで彩度をぐっと押し上げます。薬品濃度は凄まじく、彼の周囲には気化した薬品のガスが漂い、気化しきれなかった分が体から滴り落ちるほどです。これなら彼が薬品漬けなのがバッチリと伝わるのではないでしょうか。

ゾウンの薬物が奏でる音

Jayvon “Riot Jirsan” Rymer - サウンドデザイナー

これは他のVGUの時も感じることですが、チャンピオン製作時点での姿とこれから進化させようとしている姿を比較するのはとても面白いものです。ドクター・ムンドの場合、プレイヤーの皆さんがこれまでに親しんできたいくつかの要素をどうしても残したいと感じる一方で、彼の凄まじい肉体と力強さをより一層強調したいとも考えていました。「時間が経てば経つほど強力になっていく予測不能の大男」という印象を皆さんに持って欲しかったのです。筋肉やサイズの巨大化については既に他の業種のチームメイトが様々な実験を重ねていたので、僕もそこをしっかりと踏まえた上で各スキルの音作りを進めていきました。

イメージを模索していて特に楽しかったのは、ムンドが使うゾウン産薬品の音作りのところでした。氷の加工音など様々な音源を試しながら、各音源が生み出す調性(メロディーや和音が中心音とそれに関連付けられた音で構成されている状態)を探っていったんです。しっくりくる質感のサウンドを求め、熱々に熱した油たっぷりの鍋に氷を落とした時の音や、社内のサウンドライブラリーで見つけたニワトリの声まで試しました。現時点ではまだお披露目できる完成版サウンドはありませんが、今回は最後にそんな模索過程で見つけたいくつかの音を紹介してみたいと思います。

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Dr. Mundo SFX Exploration

スキンをひとつ

Sunuman “KindLeJack” DePandito - 趣味で外科医をやっている者(コンセプトアーティスト)

これは以前にも言ったと思うのですが、今回も改めて言わせてください…。チャンピオンアップデートをようやく終えた後、既存スキンの一覧を眺めながらそれぞれが秘めるポテンシャルを感じる瞬間は本当に格別なんです!ライアットは「プレイヤーを中心に考えるマインドセット」を奨励する会社ですが、長らく尽くしてくれた古いチャンピオンの旧式スキンたちにたっぷりの愛情、そして長年の経験から得た教訓を注ぎ込んで作り直すという行為は特に「プレイヤーを中心に考える」ものだと個人的に感じています。新生スキンたちは綺麗に作り直され、新モデルに合うよう調性が施されます。それ自体がすでにある種の勝利ではありますが、中でも古臭いとけなされ続けてきたスキンが美しく生まれ変わり、周囲を驚嘆させるほど輝きを放つようになるのは格別です。

というわけで…

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Rift Quest invitational PvPトーナメントに間に合う形で完成したオーク ムンドのお披露目です!磨けば光る原石ばかりのムンドスキンコレクションから、本日はこちらを紹介させてください。独立したストーリーを持つスキンシリーズではない本スキンもついに輝きを放つ時が訪れました。新生「オーク ムンド」スキンは伝統的ファンタジーへのオマージュという側面は残しつつ、現代の水準まで磨き上げられたものに仕上がっています。狂戦士の憤怒に燃え、勝利への道を突き進むムンド。そんな彼にとってはキュートな死霊術師も単なる標的でしかありません。

これにて定期検診は終了です

今回紹介できる内容は以上です。これまで同様、皆さんからの感想やフィードバックにはしっかりと目を通していきますので、引き続きドシドシお寄せください。なお、4ムンドのVGUに関する記事は今回が最後で、新生ムンドは数ヶ月中にPBE登場予定です。それではその時まで、ムンドな日々をお過ごしください!

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