Quick Gameplay Thoughts 1月28日:ファイターアイテム

パッチ12.3で予定しているファイター向けアイテムの変更について説明します。

皆さんの考えはわかります。次のパッチでファイターたちの攻撃力がさらに強化されようとしているのは、なぜかご説明します!

プレシーズン2021でのアイテムシステムのオーバーホール以来、イレリアやシン・ジャオのような軽量級ファイターたちは、本来よりもはるかに頑丈で火力も出るように感じられていた、というのが概要になります。このようなチャンピオンたちが体力と防御アイテムを積んでも強すぎる場合、ハイリスク・ハイリターンのプレイスタイルは、ローリスク・ハイリターンとなってしまっています。成功の果実をもぎ取るために、賢い判断で素早く戦闘に入らなければならないリスキーなチャンピオンではなく、独力でキルを取れる前線要員になってしまっている、ということです。リヴェンに耐久力があるうえに、ダメージも高くて機動力もあると感じられる…そんな時にどうしてナサスを選ぶっていうんでしょう?(ちょっと大げさに書きましたけど、意味は通じていると信じています)

ファイター向けアイテムという分野には、とても似通ったアイテムがたくさんあるのに、それらを使うチャンピオンとクラスは非常に多様という、興味深い問題があります。イラオイ(ジャガーノート)、フィオラ(軽量級ファイター)、ヴァイ(ダイバー)、この全員の共通点は何でしょうか?正直にいうと、すごく似ているわけではありませんが、同じアイテムを多く使う彼らは全員が「ファイター」と呼ばれています。昨シーズン、「ゴアドリンカー」や「ステラックの篭手」といったひと握りの強力なアイテムが中心となって、この問題は悪化していきました。「ステラックの篭手」は集団戦向けのファイター全員にとても良くマッチしましたし、「ゴアドリンカー」も同様のうえに、体力が大きく減っている時に大量の回復を提供していました。こうして、ファイター内のサブクラスは3つのタイプに差別化されるのではなく、だんだんと役割が混じり始めてしまいました。すべてのファイターが、集団戦が得意であるように設計されてはいませんし、「ステラックの篭手」が集団戦向けでないファイターでも活躍できるようにしているなら…何だって同じになってしまいます。

そこで再度サブクラスシステムをしっかり差別化すべく、私たちは各クラス向けに特化した新アイテムの追加を検討しました。新ファイターアイテムについて、たくさんのアイディア検討を重ね、使用率が低い一部の既存アイテムについてはリワークを試みました。(「シルバーミアの夜明け」を昔の「オカルトソード」のような性能に変えるような、ぶっ飛んだアイデアもいくつかありましたし、無敵効果を付与する「マルモティウスの胃袋」といった考えるまでもなくボツになったものもありました)こうした模索は楽しいものでしたが、砂上に楼閣を建てるようなものだという結論に至りました。新しいものを追加する前に、すべてのサブクラスにとって前提になってしまっているアイテムを現在のシステムからなくす、私たちに必要なのはこの作業でした。各サブクラスには、需要をきちんと満たす楽しいアイテムも必要です。そして大事なことですが、ファイタークラスという枠を超えて健全なアイテムシステムを長期的に維持していくために、サブクラスの弱点を壊してしまうアイテムを作らないようにしなければなりません。このような基礎を確立できた後に、必要であれば新アイテムの追加も検討できるかもしれません。

以上のことを念頭において決意したのは…全ファイターにとっての「ステラックの篭手」を、状況を考えずに積むしかない選択肢から引きずり下ろすことです。これが私たちにできるたったひとつの冴えた変更でした。「ステラックの篭手」はダリウスのようなジャガーノートが、集団戦での強力なバースト対策として選択するべきものであって、ヴィエゴやマスター・イーのようなチャンピオンが何の代償もなく活かせるものではないはずです。ジャガーノートがみんな「ストライドブレイカー」でダッシュできるようになるのを喜べないように、軽量級ファイターが現在「ステラックの篭手」から得ている耐久性も、私たちは歓迎できません。

軽量級ファイターにも防御アイテムの選択肢が少しは必要ですので、「デス ダンス」を物理/魔法ダメージの両方を軽減するハイブリッド防御アイテムに戻すことにします。「デス ダンス」を選んだのは、ファイターが被ダメージを生き延びるために、実際にダメージを与えることを要求するアイテムだからです。フロントを張ってチームの被ダメージを受け持っているだけ、それで何の心配もなく、ゆっくりと敵の中に飛び込む機会を待てばよい…というのはファイターには許されません。自らの技術を駆使して戦わなければ、「デス ダンス」はファイターを助けてくれないのです。

それとは別に、軽量級ファイターのダメージのみを追及したビルドで、うっかり大量の体力を得られないように、他のアイテムのステータスを調整しています。リスキーなキャラクターは、プレイを誤った時にデッドする可能性が高くなるような、攻撃的な手段で構成されるべきですので、そのようなアイテムが強力で魅力のある選択肢でなければなりません。すべてのファイターがショップにあるすべてのファイター向けアイテムを使える必要はありませんが、すべてのファイターに専用だと感じられるアイテムが存在すべきです。


チャンピオンやアイテムの状況は監視を行って、外れ値(強すぎるとか弱すぎるとか!)にはフォローアップを行っていく予定です。ファイター向けアイテムを活かせる可能性のある他のクラスについても、しっかり見張っておきます。共有できる部分が多少あるのはいいのですが、ひとつの選択肢のはずのアイテムが、他クラスの弱点をカバーしてしまえるのもよくありません。アイテムシステムには調整が必要な箇所がまだまだあるけれども、一度にすべてを変更できるタイミングまで待つのではなく、現行のシステムを一歩ずつ改良する方がよいと考えています。