Quick Gameplay Thoughts 5月6日

パッチ12.10で予定しているチャンピオンの耐久力アップデートについて

パッチ12.10では、LoLにおける全体的なダメージの量を減らすため、すべてのチャンピオンの耐久力を増加させる変更を行う予定です。以下のステータスを増加させます。

  • 基本体力
  • レベルアップごとの体力
  • レベルアップごとの物理防御
  • レベルアップごとの魔法防御

今回行う耐久力の増加に際しては、サモナーズリフトのシステムを取り巻く環境と正しく調和させるため、増加させた耐久力に応じた他の調整も必要となります。具体的にはバロンやタワー、マナ自動回復のバフが含まれます。アップデートの内容を見ていく前に、私たちがこの結論に達するまでの過程と、耐久力を高めるとゲームが良くなると信じる理由を説明します。

なぜ耐久力を上げるのか?

「現在のLoLはダメージが高すぎる」──これは開発もプレイヤーも同意するところです。圧倒的な大ダメージは楽しいゲームにつながることもありますが、チャンピオンの防御ステータスを向上させることで、カウンタープレイの機会が増し、プレイが最高に輝く瞬間を作り出せるようになり、プレイヤーは自身のスキルをもっと披露できるようになるでしょう。

変更そのものの内容をお話しする前に、「試合開始15分まで一切のキルが発生しないメタを作ろうとしているわけではない」ということは断言させてください。LoLの現在の状態にも、私たちが好ましいと感じているものはたくさんあるのです。生存性が低い場合の長所を挙げましょう。キルが高頻度で発生するゲームは、プロシーンのメタをとても楽しいものにしてくれますし、リコールしたりされたりするよりも、キル獲得で良いプレイが報われることになるので、かなりの割合のプレイヤーが、キルが頻繁に起こるゲームを楽しんでいます。ですが、生存性が低い状況には、長所を上回る短所もあります。

生存性が低いと、カウンタープレイ性が低い状況が多すぎて、もろいキャリーやサポートがワンショットでキルされてしまい、ゲームに影響を与えづらくなってしまいます。一瞬でデッドしてしまうと、原因を判別しにくいので、ゲームのわかりづらさに対しての不満も溜まります。

ライブサーバーでは、脅威となるチャンピオンが一部のスキルしか使用していないにもかかわらずキルを獲得しているので、その場合の戦闘から得られるリターンが大きすぎる状況になっています。こうした必殺コンボ(例:ゼドの手裏剣三連撃)を当てたいのなら、プレイヤーは使用チャンピオンの重要なスキルを活かすための技量を試されるべき、というのが理想です。長期的には、技量を試される瞬間の質が悪いと、そのチャンピオンの満足度が激減すると考えています。

生存性が低いと、集団戦や小競り合いでチャンピオンがすぐデッドしてしまうため、状況が突然変わって混乱するという問題もあります。また、集団戦にかかる時間が短いと状況を把握するのが難しく、プレイヤーが賢く意志決定したり、技量を発揮したりする機会が限られることになります。このため、本来あるべき「素晴らしいチーム同士がぶつかり合う集団戦」が実現されなくなってしまいます。LoLにおける最も楽しい瞬間のひとつが集団戦ですので、5対5のゲームの流れが大きく変える、その熱いエネルギーに触れられる機会を増やしたいと思っています。

パッチ12.10の変更内容(予定)

ゲーム速度が速く、目まぐるしい戦いが起こる状態でも、LoLは最良の状態だと考えています。ですが現状は、その方向性が極まりすぎていますので、ブレーキをかけて少しバックさせる必要があります。特定のチャンピオンやアイテム、システム要素が度を越えているとは考えていません(その中に原因につながるものがあっても)。特定の攻撃的要素を削除したり、下方修正したりするのではなく、全体的に耐久力を増加させるのはこのためです。

チャンピオンの耐久力アップデートについて、体感として実際に起こることの要点を以下にまとめました。

  • プレイヤーはチャンピオンの与ダメージと被ダメージが低くなったように感じる
  • バーストチャンピオンが素早くキルを取りたい場合、投じるリソース量や、前もって要求される削りが多くなる
  • カウンタープレイの余地が大きくなる
  • 小競り合いと集団戦はもっと長く続くようになる

調整予定はチャンピオンの耐久力だけではありません。耐久力が増すと、ドミノ倒しのように多くの波及効果が起こります。大きいものでお伝えすると…バースト(瞬間的な大ダメージ)でキルされにくくなることで、サステイン効果が強力になりますので、全体的にサステインを減らします。他の副作用としては、マップ内の要素(バロンとタワー)の与ダメージが結果的に低くなったり、チャンピオンのマナ枯渇が以前よりも頻繁に起こるようになったり、スケーリングチャンピオンの生存率が増すことで勝利にたどり着きやすくなったり、といったことを予想しています。過去のパッチでは、変化が起きやすい要素について、前もって予想を立てて調整を行ってきましたが、今回の変更についても適用後の状況に応じて、引き続き調整を行います。

確実に影響を受けるチャンピオンのグループは、バーストダメージチャンピオンでしょう(アサシンに限りません)。相手のプレイミスや位置取りの失敗をとらえることができれば、変更後もバーストキルは引き続き可能だと思います。バーストダメージのチャンピオンが、核となる技量の試される瞬間に相当うまくプレイして全てのスキルを叩き込めば、もろい相手なら引き続き体力満タンからのキル獲得は可能であるべきです。こうしたチャンピオンが大きなアドバンテージ(2レベル以上/数千ゴールドを上回る差)を得ている場合、すでに技量の試される瞬間を何度もパスできているので、一部のスキルのみでチャンピオンをキルできてもおかしくないと考えています。有利の幅にかかわらず、体力満タンの敵チャンピオンを確実にキルするためには、以前よりもキーを押す回数が1つか2つか増えるでしょう。今回のアップデートの意図はバーストチャンピオンを激しくナーフすることではありませんので、健全な状態に落ち着くまでしっかりと監視を続けます。

適用後の経過観察

今回は全体的な耐久力の変更を行いますので、しっかりと経過観察を行うつもりです。タンクがキル不能になったり、バーストチャンピオンが全くの役立たずになったり、プロの試合が退屈になったりするメタにしたいわけではありません。ですので、ロールとチャンピオンのバランスについて、適用直後の数週間はなお一層慎重に監視します。全クラスがピック可能で、戦術の駆け引きがプレイヤーの技量を反映できるような速度で行われ、スノーボールとスケーリングが健全な状態となる…そんなスイートスポットに到達させるのが私たちの目標です。

これらの変更をパッチ12.10で適用して、実際にプレイされるのを見るのが楽しみでなりません。LoLを継続的にプレイして、懸念をお伝えいただきありがとうございます。それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう!