Quick Gameplay Thoughts 8月13日
こんにちは、皆さん。パッチ11.17で予定しているルシアンのアップデートについてお話しします。変更の要点を簡単に説明すると、以下になります。
- ソロレーンでの試合序盤のダメージがわずかに減少
- 味方からのバフを受けた時(Wでの移動速度増加時も含む)、通常攻撃時ダメージが増加
- Rのダメージがクリティカル率を反映して大きく増加するようになるが、基本ダメージは低くなる
シーズン11のほとんどの期間、通常プレイのルシアンは全ロール(ボット、ミッド、時折トップ)でかなり弱い状態です。カウンタープレイが維持されている限り、あるチャンピオンがさまざまなロールを柔軟にこなしても問題ないと私たちは思いますし、それによって価値ある深みが加わるとも考えています。ですが、多数派のロールよりも少数派のロールの勝率がかなり高くなると問題が起き始め、そのチャンピオンのプレイヤーの大多数が興味のないポジションで強すぎるがために、ナーフを施さなくてはなりません。特にひどいケースとして、オフメタのロールでプロシーンを席巻している場合、通常プレイで主となっているロールが制限されてしまいます。
ルシアンは後者に当てはまります。ほとんどのスキル帯でボットレーンよりもミッドレーンでの勝率が低いのですが、ルシアンがソロキューで活躍できる状況では、プロプレイのミッドレーナーとして圧倒的なバン/ピック率を誇るようになります。つまり、ボットレーナーとしてのみのバフ手段がない限り、通常プレイでのボットレーナーとしての強さは、綿密なチームプレイでのミッドレーナーとしての強さに縛られてしまうということです。
ルシアンが通常プレイで弱いのにもかかわらず、プロたちがミッドルシアンを重視する理由を完全に理解したいと私たちは思いました。元アナリスト、元プロ、高MMRプレイヤーを擁するゲームアナリシスチームに意見を求めたところ、以下の結論に達しました。プロたちは試合序盤の強さを重視し、APミッドの低迷を埋めるためにわざと混合ダメージ構成をドラフトで選択します。そしてルシアンのアルティメットは、ボディブロックで受け止められる体力のないチャンピオンが多いソロレーンでは、より強力な武器となっていました。
綿密なコミュニケーションによるチームプレイで、ルシアンの強さが増す理由の根本を理解した私たちは、これらのポイントへの対処方法を検討しました。プロジェクトの最終的な目標は「プロプレイを席巻しているミッド/トップルシアンを強化せずに、ボットルシアンを強くする」です。レーン間で最も大きな違い…ボットルシアンの隣には常にサポートがいる点を中心に、さまざまな模索を行いました。
最初のバージョンでは、消費マナを増やすことでルシアンの試合序盤の強さを制限しようと試みました。制限の反面、ルシアンが味方といっしょにレーニングをする場合はマナが増えるので、QやEを乱発してボットレーンを崩壊させるようにもなっていました。ルシアンが自身と味方1体のマナを回復させるという変なバージョンもありましたが、これはタリックやルルのようなサポートが際限なくルシアンにバフを与え続けるという、とんでもないゲームになってしまいました。とはいえ、ここでの問題の核は「ルシアンは味方1体と常に一緒にいるわけではない」という点です。ボットレーンには2体が行きますが、ルシアンは1対1にも勝てることが多いので、スプリットプッシュしたいケースも多くあります。そしてこの単独行動能力こそが、プレイヤーがルシアンを気に入っている理由でもありました。第二の目標は「味方が近くにいないことでルシアンのプレイ感触を悪くするのではなく、単独行動を損なわない方法で、味方といっしょにいる時の感触を改善する」となりました。
これによって、第三の重要な目標もできました。ルシアンはとてつもなく楽しいチャンピオンで、ちょっと弱いだけです。ですので、私たちは補助となる車輪の再発明をしたり、ルシアンの核となる魅力を取り去ってしまうような複雑なルールや蛇足を作りたかったりするわけではありません。これを念頭に置いて、味方からバフを受け取るたびにルシアンに増加ダメージを与えることにしました。このバージョンでは、試合序盤の敵への攻撃の際にサポートがルシアンを助けられることになり、ルシアンのスキル偏重かつ高機動力なパターンを歪めることもありませんでした。ボットレーンでの優位をスノーボールさせられる強みが加わり、試合終盤に存在感を失い始める前なら、ルシアンはさらなる恐ろしさを保ち続けられるでしょう。
最後に、レベルによって大きく効果が伸びるスキルであるアルティメットは、ソロレーンでは早い段階から使用できていました。ソロレーンでは獲得できる経験値が多いため、ソロレーンルシアンはデュオレーンよりも早くアルティメットを使えるようになっていたので、この点はレーニングフェーズで長く影響します。高い体力であってもレベル6の敵をキルできるというのは、ソロレーンルシアンがレーンで完勝できる大きな要因でもあります。これを解決するため、「二挺掃射(R)」のダメージ増加設定(弾丸の数)を、経験値依存からアイテム依存に変更し、レーン間での一貫性を高めました。こうすれば、ボットルシアンはアルティメットの次のダメージスパイクである、レベル11や16を待つ必要はありません。アイテムを買い足すたびに二挺掃射から発射される弾丸が増えるというのも、とてもカッコいいですよ。
基本ステータスやビジュアルエフェクトにもう少し手を加えれば、単独行動能力とガンスリンガーとしての個性は留めたまま、ボットレーンでのプレイ感触を改善したスキルを携えたルシアンが出来上がるはずです。