Quick Gameplay Thoughts 2月26日

アイテム選択の詳細解析結果について、Scruffyがお話しします。

注意:本記事のアイテム統計データには、サモナーズリフトでのデータのみではなく、URFおよびランダムミッドのデータも含まれていたことが英語記事掲載後に判明しました。以下の記事は掲載されたタイミングでの記事の翻訳であり、使用データにはURFとランダムミッドが含まれたままになっています。

プレシーズンでのアイテム変更の目標の一つは、戦略的な選択肢を増やし、その選択肢にアクセスできるようにすることでした。変更は少し落ち着き、緊急度の高い問題にもフォローアップを終えましたので、クラスごとに目標の達成状況と改善が必要な部分を、皆さんと共有したいと思います。

ミシックアイテムについて、私たちの目標は「あるミシックを75%以上の試合で選択するチャンピオンが存在してはいけない」です。設定した割合は少し適当ですが、あるチャンピオンで各試合に考慮すべき選択肢が存在することを示す数値だと考えています。「各チャンピオンがミシックの選択肢から33%ずつ選んでいればいい」と思う人もいるかもしれませんが、それは非現実的で、現状より悪い体験になることもあると思います。他の選択肢もそれなりの頻度で選ばれるのであれば、最も頻繁に選ばれるミシックがあっても問題ありません。100%のチャンピオンがこの目標を達成できるとは考えていませんが、ゲームを改善するために、常にこの方針で取り組み続けるつもりです。

パッチ11.3では、88%のチャンピオンがこの目標を達成したので、とても嬉しく思います。これはLoL史上でも劇的な増加です。パッチ10.22(プレシーズン前)では、この指標を満たしていたのはチャンピオンの20%以下でした。

グラフの解説:データツールでは12色しか使えませんので、同じ色を使いまわしている箇所があります。グラフ右側に示した色ごとのラベルでは、選択率5%以上のアイテムのみが表記されていています。ミシックの多様性を表すスナップショットがとても多いので、データを細かに把握しようとしてラベルのついていないバーを見ていくと、間違ったデータを読み取ってしまう可能性があります。

ミシックを完成させない試合があるので、ミシックの総選択率が低いチャンピオンもいます。これはレジェンダリーアイテムを最初に1~2個作り、ミシックを完成させる前に試合が終わってしまう時、よく起こります。


マークスマン

21体達成、3体未達成。マークスマンは最も幅広い選択肢を持つクラスのひとつで、多くのチャンピオンが3種類以上のミシックをそれなりの割合で選択しています。

注目:ミス・フォーチュンで「クラーケン スレイヤー」を選ぶと、頑丈なチャンピオンを含む「フロント・トゥ・バック」構成で活躍できます。

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AD(物理ダメージ)アサシン

9体達成、1体未達成。最も魅力的な選択肢は「ドラクサー ダスクブレード」ですが、あらゆる状況で最強のアイテムというわけではありません。それでもカ=ジックスだけはダスクブレードの選択率が最も高く、ノクターン、パイク、キヤナがそれに続きます。

注目:上に挙げたチャンピオンのほとんどには「プローラー クロウ」と「赤月の刃」も良い選択肢で、正しい状況で選べば特に強力です。

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AP(魔法ダメージ)アサシン、ファイター

15体達成、3体未達成。「ヘクステック ロケットベルト」と「ナイト ハーベスター」はAPアサシンのほとんどで非常にバランスが良好です。メイジ向けミシックも視野に入るAPアサシンもごく少数ですが存在するので、選択肢はさらに広がっています。

「リフトメーカー」はファイターとサステインダメージディーラー向けの狭い需要を満たすとても強力なアイテムですが、他のチャンピオンにとっても意外なビルドへの入口となる可能性があります。

注目:「ナイト ハーベスター」を採用するエコーは、「ヘクステック ロケットベルト」採用ビルド以上に良好な成績です。「ヘクステック ロケットベルト」は、ダイアナジャングルでも極めて良いパフォーマンスを見せています。

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メイジ

27体達成、6体未達成。このクラスは目標から最も遠いと考えています。ミシック選択肢の数と割合が目標を下回っているのはたった6体ではありますが、その他のチャンピオンも目標をしっかり達成できたとは言いづらい状況です。主な原因は2つあります。

  1. 「エバーフロスト」は強さを伝えきれていない、もしくは魅力がないため、ほとんど使われていませんでした。パッチ11.4で行ったバフ(強化)がこの状況を改善すると思いますので、さらなる改善が必要かどうかは、その後の再評価次第です。
  2. 「ライアンドリーの苦悶」や「ルーデン テンペスト」は、ミシックの中でも“スキルとのシナジー効果”のあるアイテムなので、これらとの相性が少し良すぎるチャンピオンが一部存在します。この2つは強い魅力のある素晴らしいアイテムなので、現在の仕様を削除するのではなく、これらに匹敵するような魅力のある選択肢を作っていきたいと考えています。


注目:バフされたばかりの「エバーフロスト」が好相性のアーリ、アニー、オリアナ、ヴェル=コズですが、「ライアンドリーの苦悶」も正統な選択肢のひとつです。

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ファイター

31体達成、5体未達成。戦略的な選択肢という面では、ファイター向けミシックの現状にはとても満足しています。状況にもとづき明確な理由のある複数アイテムの選択が行われていて、私たちが作りたかった「試合の状況に合わせて正しい選択をする」ゲームにつながっています。

ガレン、ダリウスといったごく一部のジャガーノートは、選択肢が「ストライドブレイカー」に少し固定され過ぎていますので、この傾向を弱める余地があるでしょう。

注目:「ストライドブレイカー」採用のエイトロックスとフィオラは、位置取りの重要さを思えば納得の強さです。

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タンク

24体達成、0体未達成。プレシーズン開幕時には、ファーム系とサポート系のタンクのアイテム多様性は最下位でした。特に「サンファイア イージス」は、最も汎用性の高いミシック自動効果(スキルヘイスト増加)を持っていたにもかかわらず、汎用的なダメージアイテムでもあったため、あらゆる状況で使える万能の選択肢になっていました。

現在、タンクはミシック固定のきついチャンピオンが存在しない、唯一のクラスになっています。バランス変更と、状況ごとの明確な小規模リワークの両方を駆使して、目標達成率をたった50%から100%へと引き上げることができました。

注目:「ターボ ケミタンク」と「フロストファイア ガントレット」を採用するセジュアニ、ヌヌ&ウィルンプ、マルファイト、アムムは過小評価されているようです。

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エンチャンター

10体達成、1体未達成。「ムーンストーンの再生」、「帝国の指令」、「シュレリアの戦歌」、「ソラリのロケット」は強さの面で幅広く使用されているので、エンチャンターのミシック選択傾向は面白いものになっています。とはいえ、「ソラリのロケット」や「シュレリアの戦歌」が同等の選択肢に入る状況であっても、「ムーンストーンの再生」と「帝国の指令」が優先して選ばれる傾向があります。

注目:「ソラリのロケット」はバーストダメージ偏重構成に対する切り札となっています。

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レジェンダリーアイテム

レジェンダリーアイテムには別のアプローチが必要になりますが、概観レベルでは同じです。レジェンダリーアイテムの各スロットは、試合の状況に応じた選択と戦術を提供しているはずです。

選択率、勝率、選択順などを調べて、パフォーマンスが良すぎる/悪すぎるレジェンダリーアイテムを見つけ出すことができました。ここで特に役立った手法は、2番目に作るアイテムとしての選択率が高いレジェンダリーアイテムの調査でした。

ここでは最も購入率の高い/低いレジェンダリーアイテムを示しました。選択肢の幅を広げるため、最近行った変更では強いレジェンダリー(ゾーニャの砂時計)と弱いレジェンダリー(シルバーミアの夜明け、コズミック ドライブ、毒蛇の牙)の外れ値を対象としています。

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詳細分析は以上となります。アイテムシステムについて、私たちのアプローチと目標を説明する補助線として、面白い記事になっていれば何よりです。いつもプレイしてくださりありがとうございます。どうかご安全にお過ごしください。