Quick Gameplay Thoughts:パッチ13.16
みなさん、こんにちは。Riot Phroxzonがパッチ13.16のQuick Gameplay Thoughtsをお届します。
今回は、最近見かける3つの話題…試合時間の長さとスノーボール、チャンピオンの耐久力、ロール間のバランス(主にボット、トップ、ジャングル)についてお話ししたいと思います。
試合時間の長さとスノーボール
全体的に、現在の試合の長さについてはとても満足しています。現在のレーニングは試合時間の約半分を占めていて、残り半分が試合中盤~終盤となっています。以前よりもレーニングフェーズが長くなったことにより、中盤~終盤にかけてゲームプレイの選択肢を増やしてくれる押し引きの量が良好になっています。一般的なプレイヤー帯では、試合時間はシーズン9、シーズン2020、シーズン2021より少し長く、シーズン2022より少し短くなりました。エリート帯では、試合時間はシーズン9以来変わっていません。
一般的なプレイヤー帯でのスノーボールは健全な状態で、耐久力アップデート前よりも低いままになっています。ですがエリート帯では、パッチ12.14でのドラゴンと序盤のサステインの変更から時間が経って、最適化が進んだため、スノーボールが増加しています(変更の意図はプロの試合の速度を速めるため)。エリート帯では、オブジェクト獲得の効率や試合序盤の有利の活用法がかなり良いため、残念ながら引き換えにスノーボールの増加が起こっている状態です。
理想を言えば、レーンでのプレイに見返りがあると感じられ、中盤に向けての有利が得られるが、試合の行方を完全に左右はしない正当な程度のスノーボールがレーンにはあるべきです。例を挙げるなら、レーンの段階で3キルと40以上のCS差を得たダリウスが、稼いだ有利で1対2に勝てるのは現実的なはずです。しかし、その後もその有利を活かして試合に勝利するには、チーム間で発生する様々な衝突の中で、繰り返し成功し続ける必要があるべきです。
試合時間の長さを大きく変えるつもりはありませんが、プロの試合でのゲーム速度を遅くすることなく、エリート帯でのスノーボールを減らす手段を模索していきます。検討している変更内容としては、「序盤のデスの影響を小さくする」、「現在のジャングラーの影響力を調整する」、「序盤のオブジェクト獲得報酬の影響を減らす」などがあります。詳細についてはまだ検討段階ですが、この部分でのデザイン変更は難しく時間がかかるため、Worlds後にならないと、はっきりとした対策は打ち出せないと考えています。
すべてのプレイヤーがプロプレイに興味を持っているわけではありません。ですが、プロの試合に深い関心を寄せているLoLファンの人口は大きいので、ソロキューとプロプレイのどちらかをもう片方のために犠牲にするのではなく、うまい妥協点を探っていきたいと思います。
耐久力
耐久力アップデートから1年経った今、ゲームのダメージ量が戻っていることについての議論もあります。ダメージ量がゆっくりと戻ってきているのには同意しますが、これにはいくつかの理由があります。今年のミッドシーズンに行ったアイテム変更で、最初はダメージが増える結果になりました。しかし、最近の数パッチのナーフにより、1年前と同等のダメージにまで調整されました。「イモータル シールドボウ」や「ブラッドサースター」の変更で耐久力を失ったチャンピオンもいますが、彼らについては時間をかけて失ったものを個々に戻していくつもりです(たとえば最近行ったヨネとヤスオの耐久力増加)。
ここで耐久力がだんだん減ってきているもうひとつの理由は、パッチが隔週で実装されることにもあります。LoLは継続してアップデートされているので、ずっと変わらないものは存在しません。バランス変更を行う際、ゲームのバランスを取るという主目的にくわえ、チャンピオンのテーマも考慮に入れる必要があるので、通常のバランス変更では時間が経つと耐久力が減っていくのが自然だと考えています。たとえば、タリヤのような(このところ強くはない)チャンピオンがバフされる場合、体力増加というバフではタリヤプレイヤーが喜ばない嬉しくないですが、ダメージ量の増加ならとても喜ぶでしょう。チャンピオンをより活かせるものは、耐久力ではないのかもしれません。さらに、今年前半に行ったエンチャンターのナーフにより、キルを狙うダメージ志向のサポートたちがボットレーンに参入してきました。これもゲームのダメージ量が全体的に増えた原因ではないかと推測しています。
各クラスの状態が良好で、戦闘の相互作用が実感できて、様々なチャンピオンがプレイできていたパッチ12.12と同等の耐久力に戻すべく、作業を現在行っています。耐久力アップデート実装直後のパッチ(12.10と12.11)では、アサシンやバーストチャンピオンはプレイが難しくなっていました。パッチ12.9(耐久力アップデート直前)を基準とすれば、12.12はもろいチャンピオン(ケイトリン、ビクター、ソラカなど)の耐久力が約10%上昇していました。パッチ13.15ではその上昇幅が約5%に下がっているので、改善された状態ではあるものの、ダメージ量は明らかに少しずつ増えています。
通常のバランス変更を通して、特にもろいクラスについて、12.12のレベルまで耐久力を徐々に戻していくつもりです。ダメージではない要素をバフしたり(13.16でのサイラスのマナ変更など)、頻繁に使われないダメージ量をナーフして、高ダメージビルドになりすぎているチャンピオンを調整するなどで、全体のダメージを総合的に減らしたり(エイトロックス、ヘカリム、シン・ジャオ、クレッド、ヴァイなどがここで顕著な例)、前述のようにスノーボールの量を減らしたりといった対策を計画しています。
ロール間のバランス
トップとボットが「どちらが強いか綱引き」をずっと続けていて、それ以外は弱く感じられています。ほとんどすべての技量レベルの大多数のプレイヤーにとって、トップとボットは強さと影響力が近くなっています。ここでの例外は、組織的なプレイが上手く、デスすることなく対面のプレッシャーをさばき、与ダメージの最適化をし続ける、技量のとても高いプレイヤー帯のボットレーンです。
エリート帯のプレイでは、トップは望ましい強さを下回っていて、ボットは適正な強さに近いのですが、両方とも影響力は低くなっています。これはつまり、どちらのレーンを「ゲームをプレイ」できるようにして、そのレーンの強さを効果的に活用するのを決定するのが、他のロール(スキル帯ごとにジャングル、ミッド、サポートの順)になっていることが多いということです。
序盤にボットレーン中心のプレイが求められる度合いは少しずつ減らしてきましたが、(この記事の執筆時点では)まだまだ最適なプレイではあります。選択肢のひとつは、ボットを弱め続けて、影響力が低いところまで追いやってしまうことですが、特定ロールのプレイヤーの満足感を犠牲にしたくはありません。とはいえ、多くのボットレーンがギャンクを圧倒するのは、ボットレーナーが発揮したい影響力でないのも分かっています。
ジャングルは今も強すぎて、特にトップとボットの影響力が低いと感じられる大きな原因のひとつだと考えられます。ジャングルというロールが楽しく、思うようにプレイできて、ギャンクが一か八かの賭けなのではなく、(継続プッシュのように)有効な戦術として活かされうる「スイートスポット」になるよう、調整を進めるつもりです。
私たちの目標は、それぞれのロールがプレイヤーたちのやりたい方法でゲームに影響を与えられるようにしつつも、あるロールのプレイヤーたちが同じことをしたいわけではないことを認めることにあります。これを実現するのに、ロール間や他者との相互作用を増やしたり減らしたりするロールもあります。
今回取り上げた2つのレーンがゲーム全体への影響力をしっかり持てるよう、今後も変更を模索していきます。トップレーナーは1対1で戦う機会を求めるプレイヤーと、マップや集団に影響を及ぼしたいプレイヤーに分かれることが多く、画一的なグループではありません。トップレーンの影響力問題をすべて解決してしまえる方法はないとも考えています。ただ、トップレーナーの皆さんが揃って声を上げているものについては、認識しています──ステータスの成長量を改善し、マップ全体に影響を与えられるようレーン不在時の不利を小さくしてほしいという声を。
弱いトップレーナー(成長力が弱いことが多い)をバフして、他ロールをナーフするというやり方が、方向性としては有効でしょう。取り組むことはたくさんあります。この種の変更には限界もあります。ファイターとタンクがミッドレーンを占領してしまう前に、引き返さなくてはなりません。ジャングルとミッドが序盤にスノーボールして許容範囲を外れてしまうことが多いので、他ロールに影響力を取り戻すためにも、前述したように今年のWorlds終了後にエリート帯のスノーボールを見直すつもりです。