競技プレイの現状(2022年春)

競技プレイの現状と今後の展開についてご紹介します。

ランクとClashのシーズン2022が始まりました。今回は、現在の競技プレイの現状についてお話ししたいと思います。

目標:

毎シーズン同じように、私たちは常に目標を見直し、それに向かってどのように進んでいるかを評価したいと思っています。特に、競技プレイについては、以下のことを重視しています。

  • 競技の公正さ:プレイヤーは競技性のある対戦において、平等な競争の場に身を置くことができる
  • 成長する機会:プレイヤーは目指すべき有意義な目標を持っている
  • チームまたは組織的なプレイ:プレイヤーは、同じような意図や技術を持った仲間と一緒にプレイする機会を持ち、それに参加することができる

これらの目標は、プレイヤーの感情や、試合に参加できるかどうか(対戦待ちの時間)、試合のクオリティー(試合は競技性があり公平か)、試合に参加する魅力があるかどうか(充実感があるか、プレイヤーの意図を満たしているか、成長を感じられるか)などの指標を確認することによって評価されます。最終的には、それぞれの意図や期待に沿った、チャンスに満ちた競技性のある試合をすべての人に提供したいと考えています。

そのために、皆さんのプレイする意図や期待に合わせて、さまざまなゲームモードやメカニクスを体験できるように心がけています。例えば「ソロ/デュオキュー」は、LoLにおける個人レベルでの力を証明するための競技環境を作ることであり、「Clash」はチームとしての力を試す場です。どちらも長所と短所がありますが、概ね私たちが目指していた方向に進んでいます。では、さっそく掘り下げていきましょう。

今起きていること

  • 復帰MMR現在のシステムでは、数週間から1年以上ゲームから遠ざかっているプレイヤーのMMRを期待通りに維持することができないことがわかりました。そのため、すべてのキューで復帰時のMMRとMMRの低下に対してよりダイナミックなアプローチを導入し、復帰後の最初の5~10試合では、体で覚えている感覚とゲームの知識を取り戻すために、より公平な試合を提供できるようにします。
  • ブースティングへの評価:昨年末にいくつかのブースティングの問題に対処しましたが、現在の状況は満足いくものではありません。特にランク(フレックス)の対戦待ちを見てみると、低MMR帯と高MMR帯の組み合わせのプリメイドが、 MMRの不一致とアカウントの共有を悪用し、関係のないアカウントを急速にブーストするという問題が見受けられました。短期的には、トップティアのプレイヤーが同じランクの他のアカウントとしかプレイできないように制限することで、これに対処しました。また、やるべきことがたくさんあることも認識しており、チート対策チームと直接協力して、ランク(フレックス)のキューの整合性を向上させるような解決策を見出す予定です。

  • チャレンジのリリース:チャレンジがまもなくリリースされます。このプロジェクトは複雑で、独自の”チャレンジ”が必要ですが、私たちはその拡張性に満足しており、世界中のプレイヤーにこのサービスを提供できることを嬉しく思っています。現在、パッチ12.9での実装を予定しています!

    とはいえ、チャレンジは始まりに過ぎません。チャレンジの向上のために継続的に投資し、すべてのLoLプレイヤーにしっかりしたプログレッション体験を提供するというビジョンに沿うように展開していく予定です。

ランク戦におけるキューの健全性と「プリメイド問題」

高いレベルの視点から見ると、現在のソロ/デュオキューはこれまでで最も健全な状態のうちの一つです。どこでもオプションは、世界的に見て過去最低の0.5%3%の割合で推移しています。対戦待ちの時間は、大規模な地域の多くで2年ぶりの低水準にあり、小規模地域でも堅調に推移しています。また、MMRの精度も高く、99%のプレイヤーが自分のランクから最大2ディビジョン以内の相手とプレイしており、安定した勝率の予測精度を誇っています。

とはいえ、ソロ/デュオキューに関する問題点として、一貫してプリメイドデュオの採用があげられます。これはマッチメイキングの組み合わせにクオリティーと人口の不安定さを与えます。MMRのバランスが悪いデュオがいる試合では、どこでもオプション/サブポジションの確率(2倍の確率になることもあります)、対戦待ち時間(1試合あたり平均10秒の増加)、そして最も重要なゲームのクオリティーに関する指標(両方向で10以上の勝率の差)に影響を与えることになります。

一方で、ランク(フレックス)キューの健全性が著しく低下し始め、対戦待ち時間(3人チームで平均7分程度)とマッチのクオリティー(チーム間で24ディビジョンの不一致)が大きく乖離するようになったのです。予想に反してランク(フレックス)の総人口は依然として健全なままですが、そのプリメイドの配分や構成は、我々が望むようなクオリティーに達することが難しい状況まで移行しています。

その根本的な原因は、3人で一緒に遊びたいプレイヤーが多く、ソロやデュオのプレイヤーは別のゲームモードをプレイすることを選択できるので、1人や2人の人数のプレイヤーが足りないためです。このため、マッチメイキングの枠が広がり、対戦待ち時間の長さと期待されているクオリティーが折り合わなくなることがあります。

加えて、最も人気のあるプリメイドサイズでクオリティーの高い試合を行うことが困難なため、ブースター(ブースト相手とデュオで対戦待ちに入る)やアカウント販売者(ソロで対戦待ちに入る)といったキュー内の問題行為を起こす者の影響により、特にトップレベルではキュー自体が全体的に不健全な状態になります。

端的に言えば、プリメイドを互換性のある方法でマッチングできないことは、システムにとって不利益をもたらし、大きな変化なしに健全な状態に戻る道筋がないのです。

過去にこのような問題が発生したときは、両方のキューを動的に統合することで解決しようとしました。ダイナミックキューから学んだこと(再び起こることはありません)と、プレイヤーの意図をより深く理解することで、それがうまくいかないことはわかっています。では、どうすればいいのでしょう?

私たちが調査していること:

  • ソロ専用モード:プレイヤーの意図に合致し、最も健全で競技性のあるマッチメイキングを提供するために、ソロ/デュオに関する評価を再検討し、ソロプレイヤーはソロキューでプレイし、プリメイドはランク(フレックス)または組織的な5人モードでプレイする環境を調査しています。

計画段階では、システムの健全性と品質の指標はとても良いように見えます。例えばソロ専用キューでは:

  • どこでもオプションとサブの確率が低下
  • 99.9%のプレイヤーで対戦待ち時間が最大で5%短縮される可能性
  • チーム格差による勝率の優位性は完全に消滅
  • ブースティングの根絶
  • ピーク時、99%のプレイヤーがチーム間およびチーム内のMMRによって1ディビジョン差に収まる可能性

またランク(フレックス)キューでは、以下のようなことが予想されます:

  • キュー人口の増加
  • 試合のクオリティーの大幅な向上
  • 3人チームの対戦待ち時間を大幅に短縮
  • 試合全体のクオリティーと競技性の向上
  • グループや組織でプレイする機会の増加

とはいえ、現在のシステムに大きな変更を加える前に、この非常に大規模なデュオ人口にも、まだ競技性のある環境を見つけられると信じています。これは、チート対策チームとともにランク(フレックス)キューの整合性に再投資し、ソロプレイがランク(フレックス)/Clashと自然につながる方法を見つけることを意味します。

私たちはこのトピックに真剣かつ慎重に取り組んでおり、現実的に前進できる分野であるかどうか、年内に最新情報をお伝えする予定です。

その他、焦点を当てている分野は以下の通りです。

  • マッチメイキングのポートフォリオの再評価:健全な競技プレイシステムは、ランク戦だけではないと考えています。ノーマルやARAMのような他のゲームモードも含まれます。つまり、ゲームを健全に保つためには、定期的に他のゲームモードを継続的に再検討することも重要なのです。

私たちは「ランクキュー以外をできるだけ健全にするための変化とはどのようなものか」という点も考え始めています。

以下のような考えがあります:

    • チャンピオン選択で、プレイしたいチャンピオンを取り合わずにピックできる保証をしたら、ブラインドピックはどのようなものになるか?
    • 全プレイヤーがClashの魅力や戦略性を気軽に楽しめて、かつ5人組のプリメイドチームでプレイするのが好きな人にとっても魅力的なものにするには、どうすればよいか?
    • どうすればeスポーツと一般人のプレイ願望をうまく結びつけることができるか? チャンピオンキューのような取り組みを、今後どのように基本的なゲームに統合し、より多くのプレイヤーに提供していくことができるのか?

  • プログレッションのさらなる拡大:チャレンジのリリースを間近に控え、私たちはやり込みシステム全体の健全性を把握したいと考えています。より広範なやり込みシステムが、ゲームの健全性にどのような影響を与えるかを評価することです。ランク戦以外のプログレッションに有意義な選択肢があると感じているプレイヤーが、ランク戦へ参加しなくてもよくなることを望んでいます。もし大多数のプレイヤーのプレイパターンがバラエティーに富んでいることが分かれば、特定のプレイヤーのための新しい機能を構築することに集中でき、より強力で統一感のあるゲームシステムを長期的に作り上げることができるようになります。

    例えば、ローテーションゲームモード、エキサイティングな年間イベント、そして「チームファイト タクティクス」のような他のコアゲームにも及ぶプログレッションの選択肢が期待されます。

リーグシステムとキューをより深く検討し、競争力があり魅力的なリーグを長期的に提供できることを嬉しく思います。

それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう。