/dev: 2024 スプリット3 ゲームプレイプレビュー

スプリット3で実装される変更について、詳しくお伝えします。

2024年3回目のランクスプリットが近づいてきました。ですが、新しいスプリット初のランク戦に挑む前に、スプリット3で実装される変更点の概要をご紹介します!

チャンピオンの強調、戦闘ペース、スノーボール

まずは、このスプリットに突入して気づくであろう最大の変更から始めましょう。それは、アイテムの全体的なナーフです。単純に言うと、ゲーム内のほぼすべてのレジェンダリーアイテムで、ステータスの効率を5~15%落としました。これらの変更で、いくつか重要なメリットが生まれます。戦闘ペースが落ち、スノーボールが減り、チャンピオンたち自身の力がパワー配分のより大きな部分を占めるようになるのです。

ほとんどのプレイヤーがLoLの試合に挑む理由は、チャンピオンをプレイしたいからでしょう。インフィニティ エッジをプレイするのに大興奮する人はあまり見たことがありません──皆、ジンクスやヤスオをプレイしたいのです。これを念頭に置くと、皆さんにはチャンピオンのゲームプレイのアイデアをプレイするという面により多くの時間を使ってほしい、アイテムよりもチャンピオンを強調したいという意味で、この変更は耐久力アップデート2.0と呼べるでしょう。それでは、どのようにしてこの結論に到達したのか、少し詳しく説明します。

過去15年の間、プレイヤーのLoLの腕前は大幅に上達しました。一般的に言って、スキルを使って対戦相手を倒せるということは、素晴らしいものです。私たちも、スキルに関しては大ファンと言っていいでしょう!そのうえで、それがなぜこのゲームのほぼすべてのアイテムをナーフすることに繋がるのか、説明します。

LoLでは、チャンピオンがアイテムから獲得するパワーが、経験値、あるいはドラゴンなどのチーム全体で取得を目指すオブジェクトから得るパワーを急速に上回るような状況にありました。何年もの間、試合内でのゴールドの量はそこまで直接的に増やしてはいないのですが(ドラゴンなどはむしろ減らしました)、プレイヤーの皆さんが、ミニオンにラストヒットを与えたり、ミニオンをラストヒットするまで生き残る確率が大いに上昇したのです。 

スキルが上達したと感じたいならば、昔のWorldsの対戦を見て、ご自分のファームを13年前の世界最強と比べてみてください。World Finals 2012の最終戦では、両チームのADCが20分間でキルしたミニオンの数は、133体と165体でした。双方とも完成したレジェンダリーは1つだけで、2つ目の完成にはほど遠かったのです。現在ではこれはプラチナプレイヤーの平均未満で、世界最強には遠く及びません。

ですが、なぜこれが問題になるのでしょうか?ゴールド収入が加速すると戦闘が速くなります。それは、ほとんどのチャンピオンにとって、耐久力よりもはるかに多くの攻撃力がアイテムから手に入るからです。耐久力アップデートの興味深い結果の1つは、マッチメイキングの品質が大幅に向上したという報告が増えたことです。これはとても印象に残るものでした。というのも、私たちはマッチメイキングには触れてさえいなかったからです!私たちは、アクションが読めるようにし、反射神経よりもスキルセットが重要となるよう、戦闘を十分に遅くしただけでした。そのため、戦闘をより読みやすくする、試合のスノーボールの量を減らす、そして全体的に試合のプレイをもっと楽しくする(したい)という点から、ゲーム内のほぼすべてのレジェンダリーアイテムで、ステータスの効率を5~15%下げたのです。

これらの変更の目標は、繰り返しですが、戦いのペースを遅くすることです。チャンピオンは適切なポジショニングによる成果を得るためにより遅く動くべきですし、各アクションの重要さを増すにはアクション間のダウンタイムをより長くするべきです。チャンピオンが大きなバーストダメージを与えるのは、敵をバーストさせることを念頭にビルドされた時のみであるべきなのです。

この変更を、クラスごとに大まかに分けて見ていきましょう。

APチャンピオンは、バーストメイジのアイテムビルドではスキルヘイストを減らしつつ、高いAPと魔法防御貫通は維持しています。一方で、マナ使いであろうとマナ使いでなかろうと、耐久力がより低い、またはより高いタイプは、スキルヘイストオプションはそのままです。また、非タンクアイテムの魔法防御の量を全体的に下げ、耐久性の低いチャンピオンがAPバーストのしきい値を生き残るのが難しくなるようにしました。

ファイターについては、スカーミッシャー、ダイバー、ジャガーノートアイテムの違いを大きくしました。スカーミッシャーアイテムではパワー予算の約20%を防御力へ、ジャガーノートでは約50%とし、ほとんどのアイテムをこの値の間にくるように配置しました。この目標を達成するために、いくつかのダイバーおよびジャガーノートアイテムの体力を上げて、ゲーム内の他のクラスよりも明らかに耐久力の高さで目立つようにしました。

スカーミッシャーとキャスターにはセリルダの怨恨が復活し、ブラック クリーバーはダイバーにより魅力的に変化しました。また、タンクのアイテムのMRを高めました。前線で活躍したいと考えるファイターにとってより魅力的になるはずです。最後に、他のほとんどのクラスで移動速度をナーフしました。つまり、ファイターは戦闘で移動速度によって優位に立てるようになるのです。

ADCについてお伝えすることは多くはありません。なぜなら彼らの役割はより多くのダメージを与えることだからです。ですが他のアイテムシステムよりもゴールドによる相乗効果が優れているため、レベル比例の量を全体的に低下させました。ADCは移動速度に継続的にアクセスできる遠隔クラスの1つですが、これも低下しました。

タンクアイテムは、アイテムの中でも最も変化が小さいもので、よりMRを向上する方向に変化しました。これが生み出す第1の効果は、アイテムが果たす役割が大幅に向上し、レーンの対戦相手により長く抵抗できるという感覚です。第2の効果は、コアアイテムの複数に体力がある多くの近接クラスにとって、このアイテムがより魅力的となることです。

ADアサシンには、APバーストメイジにかなり似た変更が行われます。ADと脅威の値はあまり変わりませんが、スキルヘイストとアイテム発動効果による増幅がナーフされ、アサシンは個別のスキル使用と最初のターゲットを正しく見定めることがより重要となります。

エンチャンターは全体的にアイテムがシンプルになり、パワーを追加するけれどもアイテムにとって主要ではなかったメカニクスがなくなります。シュレリアの戦歌以外で味方に移動速度を追加する機能がなくなり、全体的に魔力を喪失した結果、攻撃面では悪化しましたが、サポート面での影響は比較的小さくなっています。

これらの変更は全体的に、試合内で移動速度とスキルヘイストの量を減らし、非バーストクラスによるバーストへのアクセスを抑え、全般的なダメージを低下させて、その他のステータスと比較して耐久力アイテムの量を増やすことが目的です。 

アイテムの効率が低下することで、チャンピオンの個別の強みにしばらく見せていなかった輝きが戻ってくるでしょう。また、スノーボールは経験値よりもゴールドの方が大きな要素だったため、試合でのスノーボールが起きづらくなります。今後における私たちの希望は、チャンピオンの若干の速度低下、スキル使用の頻度低下と、タンクとなること、もしくは少なくともより打たれ強くなることへの意欲増加によって、戦闘の腕前の重要度が増し、戦いが読みやすくなることです。


リーサルテンポの復活

次は要望が非常に多かった変更、リーサルテンポの復活です!元々、リーサルテンポは攻撃速度のアイテムビルドをスキップできたため、かなりの問題と化していました。廃止はアイテムシステムにとって総合的にプラスではあったものの、リーサルテンポがお気に入りだったチャンピオンにとって、他に代わりとなるルーンがこれといってない感覚だったというプレイヤーフィードバックを多くいただきました。

全攻撃速度アイテムにリーサルテンポが影を落とす状況でなくなり、アイテムビルドを調整する時間ができた今、このルーンの意図を維持した改善バージョンを再追加します。攻撃速度寄りのユーザーをサポートすることは変わりませんが、攻撃速度のアイテムビルドは推し進めません。 

敵チャンピオンを攻撃するときには攻撃速度がスタックされますが、攻撃速度はレベルに比例することはありません。その代わり、スタック数が最大に到達すると、通常攻撃時にレベルと追加攻撃速度に応じた追加ダメージが与えられるようになります。このバージョンのリーサルテンポを以前のユーザーの多くが気に入ると予想していますが、プレイやアイテムビルドをスキップできた時代のようにこれに縛られることはなくなるでしょう。


ビスケットデリバリー

ルーンシステムでは、マナ獲得のしやすさについて多くを考えました。現在はルーンからたくさんのマナを獲得でき、そのせいでマナアイテムの重要度が低下していました。アイテムが弱いのは構わないのですが、完全に不必要とまではしたくありません。 

チャンピオンが獲得できる「無料」のマナ量をカットするため、ビスケットによる最大マナおよびマナ回復を削除して、最大HPを増加し、減少体力をさらに多く回復するバージョンへと変更しました。 

システム内の他のマナルーンは、価値を出しマナを回復するにはチャンピオンが相手と交戦する必要があったのですが、ビスケットはその例外でした。ビスケットによって生じていたインタラクティブでないレーン戦のパターンは、私たちが満足しているものではなかったので、これらの変更によって問題への対処ができるはずです。




利便性の向上

LoLでは学ぶべきことがとにかくたくさんあるのは、皆さんよくご存知の通りです。何年も経験を積んで、敵のイグナイトがジリジリと体力を削って残り体力5になった状態から藁にもすがる気持ちで生き残るにはポーションを使えば良いと学んだ人もいますが、LoLのプレイヤーは誰もがベテランなわけではありません。それを念頭に、私たちはたくさんのプレイヤーフィードバックに目を通し、ゲームを習得中のプレイヤーにとっての困りごとを解決しようと思い立ちました。ベテランならば必要ないかもしれませんが、いくつか便利だと思うものがあるかもしれません(私はシーズン2からプレイしていましたが、今でも時々何も買わずに本拠地から出ていくことがあります!)

アイテムのキュー

アイテムビルドを覚えることは、新規プレイヤーにとって難しいことです。確かに中には、ショップを見て秘密のフレーズでアイテムを見つけることができるようなアイテムマニアがいるかもしれません。ですが、まだゲームを習得している段階でのアイテムショップはかなり手強い相手です。スターターアイテム、基本アイテム、エピックアイテム、レジェンダリーアイテム、どの素材アイテムが何になるのか──覚えることは山ほどあります。それに新規プレイヤーは、よくわからないがゆえに、まったく別のフルアイテム用の素材アイテムを購入してしまうこともあります。 

確かに、正しいアイテムビルドには多くのスキルが必要ですが、ゴールドをさまざまなアイテムのビルドに振り分けただけでプレイヤーが後れを取るという状況は望ましくありません。そこでアイテムキューの登場です!

HUDに新項目「アイテムビルドキュー」を追加しました。アイテムショップに、アイテムビルドをキューする機能ができ、アイテムを保存してHUDに表示できるようになるのです。この新しいHUD要素では、現在のビルドキューにあるアイテム、キューしたアイテムへのゴールドの進行状況、さらにショップを開くホットキーも表示されます。フレンドにショップを開くにはPを押せと教えた日々とは、もうさよならです。


 

プレイしてゴールドを稼いでいくと、アイテムのトータルコストに対する現在の所持ゴールドを表示する進捗バーが表示されます。購入しに出撃地点に戻ると、アイテムをキューするのに使ったボタンが、「素材アイテムを購入」になっているのに気づくでしょう。これは、手持ちのゴールドで購入できるだけの素材アイテムを自動的に購入する「ワンクリック」購入です(現在購入できる最も高価な素材アイテムを優先します)。購入するとHUDがアップデートされ、購入が反映された分の進捗バーの色が変化します。ビルド完成に十分な量のゴールドを獲得すると、「このビルドを完成できるだけ稼いだよ!」と知らせてくれる新しい状態へとさらに変化します。

選択したビルドは、好きなタイミングでショップの「アイテムを置き換え」を選ぶことで変更可能です。そうすると、ビルドしたい新しいアイテムを反映したものに進捗がアップデートされます。

これに加え、他にもいくつか利便性向上のアップデートを行いました。中には、素材購入とアイテム購入の違いをお知らせするサウンド効果のアップデートもあります。また、商人たちにもちょっと愛を伝えました──彼らをクリックするとショップが開くのはご存知でしたか?知らなかった方も、これでわかりましたね!

アイテムをお忘れなく!

試合開始時に出撃地点から飛び出たら、アイテムの購入を忘れていてピンを連打されたことはありますか?気づいた時にはもう遅く、戻るには最悪のタイミングという厄介な状況に陥ることも。そんな経験が私たちにもあります。そして、対処するべきだと思いました。試合開始時、何も購入せずに出撃地点から出ると、購入を忘れているとアラート通知が表示され、ゴールドのカウンターが黄色に点滅するようになりました。急いでレーンに向かう前に、すぐに戻ってアイテムを購入できます。これで、時間の無駄も恥ずかしい思いをする心配もなくなります。

オブジェクトのアナウンス

エピックオブジェクトのアナウンスに改善を行いました。ドラゴンやバロンなどエピックオブジェクトが出現すると、オブジェクトの出現を通知するアナウンスがバナーで表示されるようになりました。ここでの目標は、エピックオブジェクト出現の視認性向上と、タイマーの負担、そしてチャット内でのピンの低減です。

ポーションの大騒動とビスケットの大失敗

半分の体力でリコールした直後、アイテムバーを見たら、150ゴールド分のポーションを使い忘れていたことに気づいた…なんてことはありませんか?体力が低く戦闘中でないときに、「飲んで!」というリマインダーが表示されるようになりました。このリマインダーは、このようなアイテムを消費するのに良いタイミングだとお知らせしてくれます。 

私のジャングルで好きにはさせない

試合序盤では、タワーに向かってくる砲台ミニオンなど、プレイヤーが集中し準備をする項目がたくさんあることは、皆知っているとおりです。つまり、時に集中が逸れて早期にジャングルに侵入されるなど重要な瞬間を見逃すことがある、ということを意味します。ジャングラーの仲間を手助けするために、自陣ジャングルで戦闘が発生したときにピンを生成する新システムを作りました。これはオーディオとミニマップのVFXで、ジャングラーが現在侵入を受けていることをお知らせしてくれます。これにより、素早く計画変更して、逆に侵入を序盤のアドバンテージへと変える方法も検討できます。

ゴメン!

LoLでミスしたことはありますか?ない?ミスした経験のある(私を含む)皆さんのために、新しいインタラクティブなエモートを追加しました。これで、イグナイトが必要だと思わなかったがために、敵レーナーが体力が10残った状態で歩き去ったときの、心からの後悔の気持ちをチームメイトに伝えることができます。あまり落ち込まないように。イグナイトは、敵がレーンにテレポートして戻った時に2つ目のキルを取る決め手にするつもりだったんですから。ですが、チームメイトはそんなことは知りません。そこで、「i」キーを押すと「謝る」のインタラクティブエモートが表示されて、心からの謝罪を表現してくれます。そうすれば、チームメイトは同じインタラクティブエモートを使って反応し、ミスはすべて許され、試合に勝利した2人は親友となれるのです。


今年のスプリット3でやってくる大きめの変更をすべてご紹介しました。これらがすべてではありません。もし微に入り細を穿った内容にご興味があるのなら、パッチ14.19配信時にパッチノートをご確認ください!今回もお読みいただきありがとうございます。それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう!