/dev:Season 1変更点の影響
皆さんこんにちは。そして2025年最初のゲームプレレビューへようこそ。Season 1の新しい変更点も大半が落ち着いてきたので、今回はリリースから今までを振り返り、現在までにどんな問題を解決し、そして今後何をしていく予定かお話ししてみたいと思います。
先に少し免責事項を述べておくと、アタカンや力の偉業といった大規模なシステム変更は状態が落ち着くまで時間がかかるため、正確な評価には時間を要します。たとえデータを見ていても、そのデータがライブリリース直後の数日から数週間で変動するのはよくあることです。これはプレイヤーが何が有効か、何がそうでないかを見極め、シーズンの変化に適応するためにアプローチを調整するからです。プレイヤーが生み出す戦略やメタの進化は、LoLを何度でもプレイしたくなる魅力のひとつなのです。私たちは今後もリスクを取ってゲームプレイの進化を目指していける姿勢を貫きたいと考えており、これからも皆さんの声に耳を傾け、共に歩み、良い点は残してあまり良くない点はより良い形へと磨き上げていきます。では前口上はこれくらいにして、さっそくSeason 1を見ていきましょう!
(編集注:本ブログは1月30日に執筆されたため、以下のデータはライブサーバーの現状とは異なる場合があります)
力の偉業とスノーボール

力の偉業は、序盤のゲーム展開により明確な構造を持たせるとともに、ファーストブラッドやファーストタワーの即時的影響を抑えることで、序盤のスノーボールをやや緩やかにすることを目的に導入されました。さらに、ノクサスが掲げる「力こそ全て」という理念を反映し、戦いを通じて自らの価値を証明するようなゲーム体験を提供することも意図されています。
本要素についてはリリース直後から非常に多くの方からたくさんの強いご意見が寄せられました。そうした初期の反応には「ファーストブラッドの運要素が強すぎる」、「プレイヤー個人にかかるプレッシャーが大きすぎる」、「ブーツは両チームとも入手可能にすべき」などが挙げられます。
ファーストブラッドへの指摘は私たちも同意見で、そのため25.S1.2で同偉業を「闘いの偉業」に変更。先にチャンピオンキルを3回挙げたチームが達成する仕様にしました。
ブーツを両チームが入手可能にする変更については、その可能性を完全に排除しているわけではありません。しかし現時点では、これをヴォイドグラブやドラゴンソウルの報酬と同様に考えています。つまり、「試合中の達成に応じて一方のチームだけが得られる報酬があるのは、ゲームにとって良いことだ」と考えている、ということです。価値が上がり、チームは特別感を得られ、序盤に有利を築いたことが報われるわけですから。
その後の試合展開に関連する話では、当初のプレイヤーの反応には「報酬のブーツが強すぎて、相手に取られると降参したくなる」という意見が多く見られました。このような感想が出るのも理解できます。というのも、偉業はもともとLoLの試合で勝つために重要だったオブジェクトの達成状況を可視化するものだからです。今回はそれに加えて、序盤のオブジェクトから明確に力を得るアイテムが追加されたのですから。
もちろん、リリース直後から完璧だったとは言いません。特に連呪使いのブーツは明らかに強すぎました。しかし私たちはこの機能を実装する前から、必要に応じて性能を調整できるだけのバランス調整手段を準備していました。具体的には、ブーツ自体の性能やアップグレード価格の調整(アップグレードに使うゴールドは次のレジェンダリーアイテムに使えないゴールドとなるため)です。おかげで初期のデータとプレイヤーからのフィードバックを受けて素早くブーツのバランスを再調整することができました。ちなみに現在はおおむねバランスの取れた状態、あるいはわずかに弱い状態であると考えています。
ファーストブラッド、ファーストタワー、エピックオブジェクト、そして試合時間に基づいて勝率を見てみても、現時点ではパッチ14.24から大幅に変化しておらず、ゲームペースと総合的なスノーボール効果はSeason 1前からおおむね変わっていないと考えています。
各オブジェクト取得時の勝率
オブジェクト | パッチ14.24 | パッチ25.S1.2 |
ファーストブラッド | 57.6% | 55.4% |
ファーストタワー | 70.4% | 70.3% |
序盤のスノーボール抑制を意図した変更はこの他にも実施しています。ホームガード発動の早期化、XP獲得範囲の拡大、そしてファーストブラッド/ファーストタワーのゴールド削除がこれに当たります。また、20分時点で現実的に討伐可能なオブジェクトとしてアタカンも新規追加しています。偉業はSeason 1で導入された数多くの変更のうちの一つなのです。総合的に見て、現在の偉業の状態にはおおむね満足しています。ただし、今後のメタの変化については引き続き注視していくつもりです。
アタカンとブラッドローズ

我らが悪魔親友アタカンは、形態・出現位置・報酬が複数あるという点で偉業よりも大規模な試みでした。そしてアタカンはLoLにおけるマクロの流れを変える取り組みでもありました。トップレベルのプロシーンでない限り、18~22分の時間帯は比較的単調になりがちだったからです。そこで私たちは、よりダイナミックなエピックモンスターを、20分時点でも現実的に討伐可能な形で導入することにしました(20分時点でバロンが安定して取れるようになってしまうとゲームバランスが大きく崩れてしまいます。
激しい試合で出現する「災禍のアタカン」の設計はかなりシンプルで、基本的にブラッドローズが恒久的なステータス強化を付与します。一方、アクションの少ない試合で出現する「貪欲のアタカン」はそうした試合でアクションを促すような報酬を持つように設計されています。プロの試合では通常よりも「貪欲のアタカン」出現率が上がりますが(私のソロキューの試合では誰もがバタバタとデッドします)、私たちとしてはいずれのスキル帯でも充分な出番を用意してあげたいと考えています。
現在、通常の試合における「災禍のアタカン」の出現率は約50~70%を目標としており、出現位置もトップとボットで均等に近づけることを目指しています。トップ:ボットの割合(44%:56%)はかなり均等に近くなっていましたが、災禍:貪欲の割合は85%:15%で、当初の目標をオーバーしていました。またプロプレイでは「災禍」よりも「貪欲」が多くなると想定していましたが、ほぼ「貪欲」のみという状態です。こちらはリリース後も形態の割合を当初の目標に合わせるべく、2025.S1.2で出現率を調整しています。
「災禍のアタカン」と「貪欲のアタカン」の討伐報酬価値はおおむね釣り合っており、一方が明確に強力すぎるということはありません。ただし、どちらもやや強すぎる傾向にはあります。「災禍」については、強さの直接的な源であるブラッドローズの効果を総合的にナーフしています。対する「貪欲」は、「撤退」エフェクト発動時に敵が獲得するゴールドを引き上げて、本拠地に戻るまでの時間も伸ばしたため、以前ほど「デスの免罪符」のようには機能しなくなっています。
「貪欲」は行動を促すという点でうまく機能していると考えています。特にプロプレイでは、「貪欲」が獲得チームに通常よりもリスキーなプレイを可能にしています。この効果については今後も注視し続け、獲得チームの強化と対戦相手の無力感のバランスがより適切になるよう追求していきます。アタカンはSeason 1の中でも特にリスクの高い要素でしたが、偉業と同じように多数のバランス調整手段をあらかじめ用意しています。今後もそれらを活用し、ゲーム体験を──発動時報酬(ゴールド、花弁)と効果の強さ(効果時間、復活までの時間)の両面から──微調整していきます。
マップアートの変更

ノクサステーマのサモナーズリフト
ノクサスシーズンは、サモナーズリフトにとって久しぶりの大規模な変更でした。今回のアップデートで得られた教訓や構築されたテクノロジーを使って、以後のシーズンで取り組みを続けていくのが今から楽しみです。現在までに視認性の面で大きな問題は確認されていませんが、一方ではマップが暗く/陰鬱に感じられる、目が疲れるといったフィードバックも見受けられました。本件についてはAct 2の時期を目処にやや「元の姿に戻す」調整を検討中です。またデザインについては、今後もサモナーズリフトにおける各シーズンテーマの独自性と没入感をさらに高めていきます。今回は少しだけ開発中の新しい姿をお見せしましょう。とはいえ開発中ですので、実装までに姿が変わる可能性がある点にはご注意ください。

Act 2で登場予定のマップアップデート
一連の変更がリリースされてから、執筆時点ではまだ約1ヶ月といったところですが、Season 1の変更が作り出した新たなゲームプレイをプレイヤーの皆さんがこれからさらに習熟・適応していくのが今から楽しみでなりません。
この規模のゲームプレイ要素をLoLに新規追加する場合、常に最初から完璧に仕上げるのは難しいものです。今後も私たちは、皆さんのフィードバックをもとに素早く調整を加えることと、変更内容が理解されるまでの時間のバランスを取りながら、試行錯誤のサイクルを回して誰もが満足できる形を目指していきます。
いつもLoLをプレイしていただき、ありがとうございます。それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう!