/dev: スプリット2のランク戦アップデート*
スプリット1がまもなく終了となりますので、私たちがこれまでに学んだことと、スプリット2のランク戦で導入される変更内容についてお話ししたいと思います。今回の変更は、上位ランクへの挑戦においてストレスを感じる瞬間を減らし、その道のりをより楽しく、やりがいのあるものにすることを目的としています。そのため、振り分け戦や降格など幅広い調整を行い、プレイヤーがスキルレベルに応じた適切なランクに素早く移行できるようにしました。
要約:
スプリット2で導入される主な変更内容は以下の通りです。
- 振り分け戦後に配置されるランクの上限をダイヤモンドIIIに引き上げ(以前はエメラルドI)
- ディビジョン間(例:シルバーII>シルバーIII)の降格猶予を廃止して、プレイヤーのディビジョンの推移が流動的に
- ティアが降格した場合は、ランクと比較した降格時のMMRに応じて、LPが25 / 50 / 75のいずれかになるように
- ほとんどの地域でマスターティアのデュオキューがプレイ可能に(グランドマスターに上がるとプレイ不可に)
ランクの微調整
2023年は、プレイヤーのLPの減少量が増加量よりも多くなるケースが頻繁にみられました。具体的には、エメラルドとマスターティアでは、LP増減量がマイナス(+21/-29のように、LPの減少量が増加量よりも多い状態)になっていたプレイヤーが約50%いました。マスター以上のティアでは、この割合はさらに高くなり、約80%でした。この傾向が生まれてしまったのは、以前にプレイヤーが昇格しやすくなるように、LP増加量を増やす判断をしたことがきっかけとなっていました。このとき増加量の調整が不十分だったために、やがて多くのプレイヤーのランクがインフレすることになったのです。
LP増減量がマイナスになる問題の解決と、対戦の品質を向上を目的として、2024年の最初のスプリット中にいくつかの調整を行いました。以下はそれをまとめたものです。
- アイアンIVのプレイヤーがアイアンIIに配置される不具合を修正
- ダイヤモンドIのプレイヤーのLP増減量がマイナスになる問題を修正
- インフレを抑制するため、エメラルド未満のティアでのLP増加/減少量を28から25に低減
- 一部のプレイヤーが適切に降格されていなかった、降格の扱いに関する例外的な状況を調整
- (ノーマルをプレイしていた)新規ランクプレイヤーのプラチナへの振り分けを廃止
- インフレ抑制のため、降格時50 LPを導入
- シルバー未満のティアでの対戦待ち時間を40%短縮
- シルバー未満のティアの試合における、チーム内のランク差を40%縮小
- ランダムミッド、AI戦、ノーマルをプレイしていたプレイヤーが最初にランクに振り分けられる方法を調整(平均はシルバーIVで、下はアイアンIV、上はゴールドIIIまで)
- …そのほか、10個近い不具合の修正、および調整
嬉しいことに、これらの調整を受けてLP獲得量がマイナスになるケースの割合は最大37%低下しました(現在の割合は最大で3%、ほとんどのスキル帯でほぼ0)。
適正なランクでスタート
3スプリット制が新たに導入され、他のプレイヤーよりもランクを再び上げ直す労力がかかる最上位帯のプレイヤーは、以前のランクに戻すまでに大変な思いをしていました。この問題に対処するために、振り分け戦後にプレイヤーが配置されるランクの上限をエメラルドIからダイヤモンドIIIに引き上げます。プレイヤーができる限り早く適正ランクに移行できるよう、今後もランク配置や振り分けの方法を改善していきますが、今シーズンに行った調整によって、メインアカウントでは新規アカウントよりも自分にふさわしいランクに早く到達できるようになると考えています。振り分け戦で私たちが目標としているのは、仮にプレイヤーが新規アカウントを作成して普通にプレイしようとしたら、そのスキルレベルに相応しいプレイヤーとマッチメイキングされるようになることです。
ただし、ランクシステムの公平性が重要であることに変わりはありません。新たなアカウントを作成して、低ランクのプレイヤーを負かして楽しむようなプレイヤーがいた場合、私たちはそれを検出して、そのアカウントを停止します。アカウントのランクを上げて売却しようとする高ランクのプレイヤーにも、同じように対処します。私たちは、こうしたアカウントが紐づけられたプレイヤーを素早く、確実に特定できる新たなツールを実装し、運用方法を模索しています。私たちの目標は、意図的に操作されたアカウントを正規のプレイヤーが進む道から素早く排除することです。
降格をダイナミックに
ディビジョン降格時(例:シルバーIIからシルバーIII)に、LPが50まで減少するのは嫌なものですが、より良い解決策を見つけるまでの間、インフレを制御するためには実施する必要があった措置でした。今スプリットでは、このLP減少を廃止し、移行時のLP増減をスムーズにすることで、ディビジョン間の降格が流動的に起こるようにします。基本的には、10 LPの状態で25 LPを失った場合、あなたは下のディビジョンに降格してLPが85に設定されます。
ティアが降格(例:シルバーIVからブロンズI)した場合には、降格猶予が存在します。これはプレイヤーに獲得したランクを維持するチャンスを与えたいからです。ただし、そのために少し調整が行われます──ティアが降格した場合は、私たちが算出したあなたの実際のスキルレベルとのズレに応じて、LPが25、50、75のいずれかに設定されます。あなたがゴールドIVの0 LPでそれが実力と相違ない場合、毎シーズン昇格と降格を何度も繰り返すことになるでしょうから、そのたびに-50 LPの痛手を与えたくはありません。
極端な例では、プレイヤーを高すぎるランクに誤って配置してしまった場合(例:ほとんど情報が無いプレイヤーがランクをプレイした際に、ランク決定システムが間違ったり、バグがあった場合)、そのプレイヤーの目に見えるレーティングがスプリット1のときよりも早く実際のレーティングに追いつくようにするため、降格時のLPは25まで低下することになります。プレイヤーはフラストレーションを感じるかもしれませんが、これは極端な状況でしか発生しないものであり、結果的には適正なランクに素早く到達できるようになります。そして、ランクと実力が一致するまで、+15 LP / -35 LPという苦痛をじわじわと味わうよりも、はるかにマシな体験を生み出すはずです。
全体として、私たちはこれらの降格への変更によって、すべてのランク帯でのプレイヤーの体験がより円滑なものになると考えていますが—いつものように—プレイヤーからのフィードバックを注視していきます。マスターティアでのデュオが復活
2021年に、マスター以上のティアにおけるデュオキューが廃止されました。これによって対戦の品質は部分的に向上しましたが(対戦待ち時間と対戦の公平性)、最上位ティアでLoLをプレイする際の孤独感を強め、コンテンツクリエイターが悪影響を受けてしまいました。私たちはランク戦をソーシャルな競技体験として、プレイする人々をサポートしたいと考えています。
とはいえ、競技の公平性も重視しています。最上位ランクでデュオでプレイすることで、ランク1位の正当性に疑念が生じたり、対戦待ち時間が極端に長くなる可能性があります。GumayusiとKeriaがデュオでプレイした場合、ロールの希望も尊重しながら公平な対戦を組むのは極端に困難です。
そこで、競技の公平性、対戦待ち時間、ソーシャルなゲームプレイのちょうどよいバランスを取るために、デュオキューが制限されるランクをマスターからグランドマスターに引き上げます。マスターのデュオを可能にすることで、最上位ランクの競技性を保護しながら、より多くのプレイヤーがフレンドと一緒にLoLをプレイできるようになるでしょう。
これらの変更は、中国と韓国を除くすべての地域で試験導入されます。適切なバランスがどのランクになるのかについては、地域によって見解が異なっており、中国と韓国はデュオを復活させることに対する意見が他の地域よりも大きく割れています。私たちが適切な着地点にいるのか確かめるため、これらの地域のプレイヤーの意見に注意深く耳を傾けていきますが、プレイヤーが望めば、今後これらの地域でマスターのデュオキューを復活させることもあり得ます。
ランクへの挑戦は続く
ランクおよびマッチメイキングについては、取り組むべき課題がまだまだあります。得意ロールと苦手ロールのバランスを最適化するより良い方法は現在も模索中であり、今後も新規ランクプレイヤーや新規プレイヤーのランクの振り分けを改善していきます。また、サブアカウントを正当な新規プレイヤーから選り分けて排除する方法を調査するとともに、ランクの資格要件をより上手く処理し、対戦待ち時間をさらに最適化する方法も探していきます。
これらについては、今後の展開に応じて、改めて詳細をお伝えしていきます。これまでに行った変更が、ランク戦の体験改善に向けた意義のある一歩になることを願っています。それでは、引き続きスプリット2をお楽しみください!