/dev: シーズン2020の終了&プレシーズン2021について

今年の活動報告、シーズン終了の変更、プレシーズンのアップデートについてお話しします。

お久しぶりです。長らく更新が止まっていました、LoLのコンペティティブゲームプレイに関する進捗報告を行っていきたいと思います。この記事では、今年の前半から行ってきた変更の成果と、プレシーズンに予定している大規模な変更についてお話しします。また、Clashと今後の展開についても軽く触れつつ、「勝利の栄光」褒賞に関する情報を交えて報告を締めくくろうと思います。

前回の更新からしばらく経っていますので、まずは今シーズンの目標と、主な想定の成果を簡単に確認しましょう。

目標と変更点

今年私たちはコンペティティブシステムの核心に迫り、長い間苦しめられてきた問題を解決したいと考えました。具体的にお伝えすると、以下の問題に取り組んできました。

  • 待ち時間や利便性を犠牲にすることなく、キューのマッチメイキング品質を高める。
    • 実装済み:どこでもオプションでの不均等発生率が5%未満に減少
    • 実装済み:プリメイドの不均等発生率が54%から5%未満に減少
    • 実装済み:マッチメイキングの新たなアルゴリズム──ノーマルキューで現在よりも高精度かつ高速にプレイヤーの腕前を識別する(プレシーズンではランク戦にも適用)
    • 実装済み:MMRに関連したマッチメイキングのシステムに改良を加え、ランキング上位と下位0.01%のプレイヤーがマッチメイキングで永久に相手が見つからないということがなくなりました
  • ランクおよびマッチメイキングシステムの透明性を高める。
    • 進行中:ランクが近いプレイヤーのみとマッチングすることを目的としたランク指定形式のマッチメイキング
  • やり込みの満足度を高め、もっとスキルをアピールできるようにする。
    • 進行中:ディビジョン間での昇格戦を廃止
    • 進行中:マスター以上のデュオに変更
    • 進行中:マスター以上のティアの解除を構築
  • 報酬および褒賞を、LoLに費やした時間に見合うもの、そして他のプレイヤーに認識してもらえるものにする
    • 進行中:「勝利の栄光」スキンとコンテンツをアップデート
  • プレイヤーが一緒にプレイしたい人を見つけたり、一緒にプレイできるようにする。
    • 実装済み:フレックス制限の削除により、5人組チームの数が最大7%増加し、利用可能なフレックスマッチの合計は、地域に応じて最大35%から65%に
    • 実装済み:Clashチームビルドの初期バージョンでは、ソロプレイヤーがフリーエージェントとして掲載することで、「フレンド」や「フレンドのフレンド」から募集を受けることができるように

どこでもオプションの均衡発生率、プリメイドの均衡発生率、新しいマッチメイキングの方法論、フレックス制限の廃止を通じて、マッチメイキングの品質の向上と他のプレイヤーとより簡単にプレイできる機能についてお話してきました。

また、プレイヤー行動システムについて深く掘り下げ、問題のあるスペースを別のチームに分割して、システムがスペースでどのように機能するかについての根本的な変更に焦点を当てました。

それでは、プレシーズンについてお話ししましょう。プレシーズン中に今年最後のマッチメイキングにおける変更にテコ入れし、進行状況の改善に取り組み、報酬内容を再検討します。

プレシーズンに登場

私たちは変化の風が強く吹く時期へと足早に近づいています。Worldsが開幕目前、シーズン終了が近づき、来るプレシーズンの見直しが急速に進んでいます。これから数か月間の軸となる公約は以下の通りです。

ディビジョン間の昇格戦が廃止

当初、ディビジョン間の昇格試合は、プレイヤーが思わず取り組みたくなる達成目標をティアとティアの間に設けるために実装されました。勝てば安心材料にはなりますが、5回連続で跳ね返されたときは大きな不満のもとになっていました。当初の決定を再検討し、ソロキューとフレックスキューのディビジョン間にある不必要なフラストレーションとランク上昇の障害を解決したいと考えました。そのためプレシーズンの開始時に、ランクのインフレと急速な仕様統一を避けるため、両方のキューでディビジョン間の昇格戦を廃止し、以下の変更を行います。

  • ディビジョンの昇格時に余ったLPを次のディビジョンに繰り越し
  • LPが0のプレイヤーに関してディビジョン間の降格猶予を廃止

この変更は、ディビジョンレベルでプレイヤーの体験を改善することを直接の目的としているため、ティア昇格戦(シルバーからゴールド、ゴールドからプラチナなど)には適用されません。ティア間の昇格戦が、「ティア間の進行を有意義で挑戦的な取り組みとして保つための重要な要素である」という考えに今も変わりはありません。なお、今後もキューとランキングの状態については個別に監視していきます。新しいランキング体験に関する皆さんのフィードバックをお待ちしております。

ランク指定形式のマッチメイキング

今年の主軸となる目標を2つ挙げると、マッチメイキングの品質とランクシステムの透明性の向上です。主にMMRによって決定されるのは変わりませんが、私たちが「ランク指定形式のマッチメイキング」と呼んでいる新しいガードレールに厚みを出しているところです。このガードレールは、LPとディビジョン、さらにMMRの観点からチームのバランスをより安定させます。

私たちはチーム内および2つのチーム間のLPの差からこの変更が成功しているかどうか判断します。事前シミュレーションでは、すでに以下の項目で大幅な改善があると示しています。

  • チーム間のMMRの差には変更なし
  • 全てのマッチメイキングでチーム内のLPのばらつきが40%減少
  • 全てのマッチメイキングでチーム間のLPの差が40%減少
  • 0.01%のプレイヤーの待機時間がプラス1分半以下
  • 50%のプレイヤーの待機時間がプラス5秒以下

これによって皆さんから見て何が変わるのかというと、今後プレイヤーのティアが1つ分以上離れている試合はロビーでごくわずしか見かけなくなるはずです。この変更が以下のマッチメイキングの変更と組み合わさって、試合の品質と表示ランクを近づけることになります。初めてのテストができることにワクワクしており、最初のプレシーズンパッチの前にリリースすることを念頭に、さらなる微調整を続けます。

ランク戦のシーディング

今年ランクシードの調査について話し、ランクキューへの初配置時、プレイヤーをより正確に振り分けることに紐づいた価値を強調しました。ランク戦を初めてプレイする新規アカウントと組む場合に、新規アカウントと古参アカウントの両方にとって変動が少なくなるというものです。

最初に行った調査中に、私たちの方法論が少し単純すぎることに気付きました。初期のバージョンでは新規プレイヤーの振り分けに改善が見られましたが、目標としていた正確性にはまだ達していませんでした。これらのアカウントは最初のシード後に想定よりも多く勝つか負けるかしており、大幅な振り分けのミスを示唆していました。なお、これらのテストは約3か月前に掲載した前回のブログの直後に行われました。

誤って振り分けられたアカウントの多くは私たちが「スマーフアカウント」として認識しているものであり、その技術レベルは様々です。これにより、これらのアカウントを振り分ける位置を正確に特定することが難しくなり、より深く複雑な分析が必要になります。症状を包帯で隠すだけでなく、問題を最善の方法で解決するために、最初のランクシーディング実験を早期に終了し、数か月かけてより良いバージョンにしようと考えました。プレシーズンの開始時に、2回目のランクシーディングを他のマッチメイキングソリューションとともに提供する予定です。

最高位ティアの変更(マスター以上)

年間を通し、ランキングが最上位でどのように機能するか見てきましたが、試合の品質の一貫性や、各サーバーにおける最強のプレイヤー集団であるべきものをプレイヤーがどのように体験しているかについて、いくつかの懸念があります。地域によってプレイ率やランク上昇の予想は大きく異なります。次々と発生する問題には、デュオと非デュオの整合性、ロールによるどこでもオプション、ランク間の格差などがあります。

プレシーズンに向けての挑戦として、このレベルのプレイヤーはサーバー最高であると宣言しておこうと思います。さらに、可能な限りバランスの取れたプレイフィールドを作ることを目指していきます。

最初の実験的な変更は、プレシーズン中にマスターティア以上の全プレイヤーのデュオキューを撤廃することです。ランキングの大部分については、チーム全体で効果的に試合を行ってプリメイドのバランスを取ることができます。しかし最上位レベルのデュオでは、その技術レベルのプレイヤーが参加できる可能性が非常に低いため、公正な対戦を提供することがより難しくなります。これらの変更によりチームの技術の差が少なくなり、どこでもオプションと2つ目のロール振り分けが行われることが減り、試合時間が短縮されるため、ランキング上位での全体的な試合の質が向上すると考えています。

一部の最高位プレイヤーにとって、相棒と一緒にランクを上げるのがより好ましい遊び方だということは承知しています。しかし、試合を通してお互いを知り認識しがちなランキング上位において、ソロ同士のボットレーンのペアとデュオで洗練されたボットレーンの間には大きな差があります。今まで通り、プレイヤーがフレンドと遊ぶことができる重要性も認識しています。パーティー制限が解除され、チーム間の試合の質が向上し、安定性が向上したため、これらのニーズを満たすためにフレックスキューとClashへの参加が増えることを期待しています。

シーズン開幕時の最高位の解放

最高位ティアでの2つ目の変更は、マスター以上の解放のプログレッションという形で有意義な体験を提供することに重点を置いています。ここ数年、私たちはシーズン初期に一定の場所で最高位ティアを解放し、特定のLPまたはランキングを満たす全ての人は自動的に変則的なLP値を持ってその位置にいました。この体験は不快かつ混乱を招くものであり、ゲートが開いたときに瀬戸際にいるだけでプレイヤーがより高ランクに昇格するという厄介な状況が起こりました。今年は別のアプローチをとり、ランク戦シーズンの開始時に最高位ティアを解放します。これにより、プレイヤーはそれぞれの最初のスポットで戦い、最高位の最小LP要件に達したときにのみティアに昇格することができます。

最初にテストする値は以下の通りです。

  • マスターを即座に解除
  • グランドマスターには200LP
  • チャレンジャーには500LP

最後になりますが、今年の初めにお話したように、皆さんが実際に試合を探す機能はそのままに、どこでもオプションの体験を向上する方法を引き続き模索していきたいと思います。ランキング最上位で見受けられる試合への最も顕著な影響は、どこでもオプションでマッチングしたプレイヤーがメインポジションのチャレンジャーと対戦するという形で発生します。これまでに説明した他のプロジェクトを除けば、プレシーズンに予定している試みはありませんが、これが調査中の課題であることをお伝えしておきます。できるだけ多くの方法でマッチメイキングのフィルターのバランス調整を行っていきますが、究極的にいうと、試合というものは誰が最も良いパフォーマンスをするかということです。マップ全体で一番バランスが悪いのはどちらのチームであるかが最重要項目というわけではないのです。

私たちはこうした変更に細心の注意を払い、プレシーズンを通じてプレイヤーのフィードバックとマッチメイキングの品質指標に基づいて変更を加えます。

シーズン終了

今シーズンもそろそろ終わりが見えてきましたので、これからの褒賞について手短にお話しようと思います。ランク戦シーズンといえば何と言っても、シーズンの終わりに配布される「勝利の栄光」褒賞が特徴です。2020年はランク戦が始まって10年の節目ですが、「勝利の栄光」スキンは、競争環境ほど急速には進化していません。苦痛に耐えて相応しいランクを獲得するために戦うことの意味をより上手く表す、より「テーマに沿った」ゲーム内の美学をプレイヤーに提供する機会があると私たちは信じています。

q3ranked_victorioustease.jpg

2020年の新機能として、皆さんが到達したゴールドより上の全ティアのクロマを受け取り、シーズン中にどれだけ高いランクに到達したかを示すことができます。最初の「勝利の栄光」マイルストーンに到達することに満足するだけでなく、サモナーズリフトでシーズンを終えた際の最高ランクを表すことができるはずです。

Clashのシーズン終了

ランクとあわせ、今年の11月にClashは初のシーズン終了を迎えることになります。今年からシーズン終了時にClash固有の褒賞と、シーズン中に獲得したヴィクトリーポイントに基づいてチームの勝利に対する表彰を受け取ることができます。Clashシーズンの初バージョンの終わりには、将来の反復のための基礎を築くことを目標としています。

以下にティアとサブティアの報酬の概要を記載します。褒賞のマイルストーンにはそれぞれ、前のマイルストーンで獲得できる褒賞がすべて含まれています。

  • 挑戦者(Clashに参加し、ある程度の成功をおさめたプレイヤー)
    • 挑戦者サモナーアイコン:1 VP
    • 挑戦者Clashロゴ:200 VP
    • 挑戦者Clashバナー:1000 VP
  • 覇者(複数のClashイベントで成功を収めたプレイヤー)
    • 覇者サモナーアイコン:2000 VP
    • 覇者Clashロゴ:3000 VP
    • 覇者Clashバナー:4000 VP
  • 英雄(VPを大量に獲得したプレイヤー)
    • 英雄サモナーアイコン:5000 VP
    • 英雄Clashロゴ:6000 VP
    • 英雄Clashバナー:7000 VP

Clashに参加する機会がなかった場合や満足できるヴィクトリーポイントレベルに達していない場合でも心配する必要はありません。週末にかけてClashが2回予定されており、Worlds Clashイベントの期間はより高い報酬でVPを獲得できます。このトーナメントでは、テーブル上のヴィクトリーポイントがより多い16チームブラケットを対象としています。 

総括として、2021年にはClashのプログレッションを見直し、今年始めたものをさらに拡充させていく予定です。今後何年かにわたって、チームを組んでプレイすることがLoLにおいて有意義かつ普遍的な伝統となるよう取り組んでいきたい思っています。また、初となるClashのシーズン褒賞ついて、ぜひご感想をお聞かせください。皆さんからのフィードバックを参考に、今後さらに良いものを提供できるよう努めていきます!


今年はルーンテラの内外で課題が盛りだくさんの一年でした。激動の季節をともにお祝いし、引き続きぜひご意見ご感想をお寄せください。今年行った変更は、世界で最も競技性の高いゲームの最高バージョンへと向かう継続的な一歩であり、私たちはLoLの最高バージョンを常に追求することをお約束します。これはシーズン終了とプレシーズン前の最後のブログになりますが、来年にはまた再開し、LoLの競技体験をどのように進化させていくかについて、引き続き最新情報をお届けしていきます。

最後に恒例のご挨拶を…それでは、サモナーズリフトでお会いしましょう。引き続きLoLをお楽しみください!