/dev:Season 2ゲームプレイ変更点プレビュー

アタカン、ヴォイド系オブジェクト、賞金などへの変更点について。

今年のSeason 2はアイオニアが舞台となります。これはマップがアイオニアの美しい「精霊の花祭り」テーマで彩られるだけではなく、新シーズンのゲームアップデートが到来することも意味します。

今回はSeason 1でリリースした変更に改良を重ねつつ、ゲームプレイ以外のシステムの現代化にも取り組みます。 

ゲームプレイ面では、まずアタカンの形態が「呪縛のアタカン」1つに統一されます。また、試合全体のオブジェクト進行ペースを抑えるため、ヴォイドグラブの出現は1回限りとなります(それに伴いリフトヘラルドのボーナスにも変更を実施)。さらに賞金システムについても調整を続け、優勢なチームのみに発生するように慎重な設計を進めていきます。 

Season 2で導入されるこの他の変更点には、新しいデス画面、キル時効果音、チャンピオン選択でのロール交換などがあります。さっそく見ていきましょう!

精霊の花祭りサモナーズリフト

ブラッドミアの言葉どおり、舞台はアイオニアへ。「精霊の花祭り」をテーマとした新しいサモナーズリフトのデザインを以下に少しだけお見せします。Season 1と同様に地形に手を加えてはおらず、純粋に見た目だけの変更です。

アタカン

Season 1の最後(とミニゲーム「悪魔の手」で)で明らかになったように、ルブランと黒薔薇団は悪魔「アタカン」を再び捕らえ、邪悪な企みに利用しようとしています。このため、捕らえられたアタカンは新形態「呪縛のアタカン」としてのみ出現するようになります。もちろん精霊の花祭りサモナーズリフトも彼の存在を快く思っていないため、プレイヤーがアタカンを討伐するとその影響を完全にマップから払拭する手助けをしてくれます。

皆さんから寄せられた「貪欲のアタカン」へのフィードバックは私たちも認識・同意しています。「貪欲のアタカン」の報酬は、公平かつ満足感のある形でバランスを取るのが難しく、プロシーンにおいて「貪欲」と「災禍」の出現比率を適切に保つことも同様に課題となっていました。今回形態をひとつにすることで、Season 1で2形態を導入したために生じた複雑性をある程度緩和できると考えています。また「災禍のアタカン」はストーリー展開と結びつけて進化させられる機会だと考えて変更を実施しました。ぜひ皆さんの感想をお聞かせください!

アタカンはSeason 1と同様、マップのトップ/ボット側のうち、PvPの戦闘が激しかったサイドに出現します。新しいアタカンも、自身の出現位置周辺およびキル発生場所の周辺に「ブラッドローズ」を出現させます。ただし「呪縛のアタカン」の討伐報酬には新要素も追加されています。討伐したチームはマップ上に存在する未回収の「ブラッドローズ」を即座にすべて入手してボーナスを獲得し、すべての「血の花弁」は浄化されて「精霊の花弁」(効果+25%)になります。 

加えて討伐チームには、試合終了まで持続する「精霊の浄化」バフを獲得します。このバフはキル/アシスト発生時に周囲の敵にダメージとスロウ効果を与え、さらに「精霊の花弁」を付与します。

ヴォイド オブジェクトの出現ペース

Season 1を通じて寄せられ続けたフィードバックのひとつに、「中立オブジェクトの重要性が高くなりすぎている、特に序~中盤で顕著だ」というものがありました。健全なゲーム進行ペース/レーン戦フェーズ/試合展開の幅を実現するには、エピックモンスターへの対応が求められる頻度や影響度が高すぎたのです。

これを解決するために私たちが最初に着手したのは、2度目のヴォイドグラブを出現させなくすることでした。その上で初回(そして変更後は唯一)のヴォイドグラブが出現するタイミングを遅らせ、プレイヤーが序盤のレーン戦に集中できるようにします。ヴォイドグラブの報酬も最大カウントが6から3に変更されるのに合わせて再調整しています。具体的には、ヴォイドグラブ3体すべてを倒した場合でも出現するヴォイドマイトは最大で1体となります。またリフトヘラルドの出現タイミングも少し早まって15分になり、試合時間20分までのオブジェクト出現間隔がより改善されます。

またリフトヘラルドは、ある程度味方の助けを必要とする存在であるべきですが、現状では複数人の増援がほぼ必須に感じられ、想定以上に負担が大きくなっていました。今回はこれを解決しつつ、複雑さ/テンポの悪さを低減するべく、「睨み」デバフ(プレイヤーの与ダメージを低減するデバフ)を削除しつつリフトヘラルド自身の火力を上昇させています。結果として、特にソロ時の戦闘はよりシンプルかつテンポよく進行するようになるでしょう。ただし体力の消耗は大きくなるため、今後もヘラルドを巡る駆け引きは続くことになります。

今回の変更によりリフトヘラルドは中盤戦のオブジェクト争いの重要要素になるため、併せて報酬の見直しを実施し、使用感と満足感を改善しています(最終的な変更点一覧はパッチノート25.09をご覧ください)。

賞金への変更

今Seasonは賞金システムにも再調整を実施しています。具体的には、チャンピオン賞金を生じにくくし(リードしているチームの優位が確定的な場合を除く)、キル時の基本ゴールドがチャンピオンレベルに応じて上昇するようにし、さらにシステム全体の完成度を高めるための細かなアップデートもいくつか実施します。

チャンピオン賞金は、明確に劣勢なチームが逆転するための手段としてのみ存在すべきだと考えています。今回の変更でも根本的な要因(キルやファーム)には変更はありませんが、チームが優勢であると明確に判断されない限り、賞金のボーナスゴールドは発生しなくなります。この判断は、ゴールド、経験値、オブジェクティブの状況に基づいて行われます。 

この決断をした理由は主に2つです。ひとつめは、有利を築いたプレイヤーがそのままスノーボールし、試合を圧倒「できる」ことは重要であること。ふたつめは、劣勢のプレイヤーもタワー下に引きこもるだけでなく、自ら積極的に動くことで勝利への道を切り開けるようにすることもまた重要だということです。だからこそ自分よりも強い相手を倒したプレイヤーに報酬を与える要素、「賞金」が存在するわけですから。 

たとえば従来だと、あなたがチーム劣勢の中で5/0のオリアナをプレイしているとします。この状態でも、よく育った敵チームにとってあなたは「格上」ではなく、次の集団戦で確実にシャットダウンゴールドを手に入れられる対象です。これではオリアナが逆転を狙うのは一層難しくなります。しかし次のパッチからは、5/0のオリアナのキルゴールドは基本値のままになります。唯一の例外はあなたのチームがゴールド、経験値、オブジェクトの総合状況において明確に優勢な場合のみです。

またキルゴールドをレベルに応じて上昇させることで、過干渉を避けつつ過剰なスノーボールを防ぐ対策としています。初期額はかなり少なく250ゴールドで、最大で400ゴールドまで上昇します(従来は基本値300ゴールド)。優勢のチームは劣勢のチームよりもレベルで上回っていることが多いため、キルゴールドは結果的に劣勢チームにとって若干有利になります。強烈な推進力にはなりませんが、スノーボールする側のプレイヤーを弱くすることなく、劣勢側に報酬を与えるアプローチです。

そして最後に、システム全体でいくつかの細かなバグも修正しています。たとえば昨年の旧賞金システムでは、対人戦闘が終了するまでシャットダウンゴールドが増加していませんでした。自分が「先に」キルを取っただけで突然賞金がつくのは違和感があるため、賞金の適用タイミングを再び「対人戦闘終了後」に遅らせるようにしました。ふたつめのバグ修正は賞金抑制の挙動に関するものです。内部処理上、賞金はチャンピオンが自身の賞金に影響する行動をしたとき(通常は何かをキルしたとき)にのみ再計算されて更新されていたため、賞金の抑制措置が「次のキルが発生するまで反映されない」という問題がありました。今回の変更により、チームのリード状況が再計算されるたびに賞金の抑制処理が実行され、すべての賞金が正しく再調整されるようになっています。

ロール交換&ポジション固定措置

今回はこの他にも、ジャングルおよびサポートのロールに小さいながらも極めて重要な変更を施しています。ジャングルへの変更は「スマイトが自動割り当てされ、チーム内唯一のスマイト保持者となる」というものです(「開放の魔導書」のスマイトに影響はないので愛好家の皆さんはご安心ください)。同様に、サポートプレイヤーは自動的にスタートアイテムとして「ワールド アトラス」を取得します。

いずれもゲームプレイに大きな影響を与える変更ではありませんが、トロールの低減、そして「こっちのチーム、誰もスマイト持ってないんだけど…詰んだ」的展開の予防になるでしょう。そしてさらに重要なのは、過去に何度もLoLの健全性を損なってきた戦略(ファンネリング戦術やサポートアイテム複数所持戦略など)を防止するためだけに存在していたルールを整理・簡素化できるようになる点です。これは言い換えれば、この種の戦術を推奨・支援する方向での対応を行う予定はないという表明でもあります。

そして新しいルールの中でチームをしっかりと編成できるようにするため、今回はチャンピオン選択にロールの交換機能を追加します。元々のロールがミッドでも、サポートとのロール交換に同意すれば、その後はふだん通りにサポートをプレイすることができるわけです──つまり、ADCが信用できないからキャノンのラストヒットは自分で取っていくぜ、ということですね。

反レーンスワップルールの追加調整

また、これまでに述べた変更点を踏まえ、レーンスワップへの対応についても改めて見直しを行います。レーンスワップ検出とペナルティの再設計にあたっては、プロシーンでのレーンスワップをほぼゼロに抑えると同時に、一般プレイヤーへの影響も引き続き軽減することを目指しています。今後もサポートがミッドやトップにロームしてガンクを狙えるようにしつつ、その際に味方のゴールド収入が犠牲にならないよう配慮します。

このため、今回においてはロール固定措置を活用し、レーンスワップ対策のルールをワールド アトラスに結びつける形で運用していきます。これまで同様、このルールはジャングラーが存在するチームにおいて、サポートともう1人のチャンピオンがボットレーン以外にいる状況を検出対象としています。レーンスワップ検出は、ミッドレーンでは1:35~2:15、トップレーンでは1:35~3:00の間にワールド アトラスが確認された場合に発動します。この際、ペナルティーの対象となるのはサポートのみです。

「ペナルティー」は具体的に何でしょう?まず防衛側のプレイヤーは、付近のミニオンからゴールドと経験値を全量獲得でき、防衛側のタワーも被ダメージ軽減と与ダメージ増加の効果を維持します。ただし今回の変更では、すべてのプレイヤーのミニオンから得られるゴールドと経験値を25%低下させるのではなく、サポートがワールド アトラスのスタックを消費できず、レーンミニオンからゴールドや経験値を一切得られなくなります。

「非ジャングラーが対象レーンに2人いる」という検出条件は引き続き適用されるので、ザイラがミッドでウェーブを止めてあげていてもペナルティー対象にはなりません。しかしリサンドラがレーンに戻ってきたら、サポートはその場を離れる必要があります。

デス画面

たとえば、あなたがデッドしたとします。そんなとき私たちは時間を巻き戻してゾーニャを発動させる…ことはできませんが、デス画面にいくつかの小さな変更を加えることで、少しでも惨めな気分を和らげられるかもしれません。まず、画面の色彩が少し豊かになります。今後、あの灰色の画面が少しだけ優しい印象になります。

さらに、チームメイトの視点を自由に切り替えられる観戦UIも追加します。トップレーンで繰り広げられる永遠に決着のつかない殴り合いや、ボットで繰り広げられているカオスをチェックしたいときにぜひ活用してください。もともとデスタイマー中は、誰かにピンを打ったり、買い物したり、マップを見たりして時間を過ごす人も多いと思いますから、今回の変更はそうした行動と自然にマッチするはずです。大きな変更ではありませんが、リスポーンまでの時間をちょっとだけ快適に、そして少しだけ楽しくしてくれるQoL(利便性)改善となるでしょう。なお、今回の変更はエターナルのデス時UIを置き換えるものですが、関連する通知はこれまで通り表示されます。

連続キル

LoLにはキルを盛り上げる派手なビジュアル演出がたくさんありますが、激しい集団戦の最中ではアナウンサーのコールが展開に追いつかないことがあります。せっかくマルチキルを重ねていても、他の効果音にかき消されてコールが聞こえないわけです。

そこで私たちはVALORANTに着想を得てキル時に「控えめながら気持ち良い」効果音を鳴らすようにしました。爽快な瞬間をより深く味わってください。この効果音は本人にだけ聞こえる仕様です。マルチキルを重ねていくと効果音も盛り上がっていくため、まるで自分専用の盛り上げ部隊に応援されているかのような気分が味わえます。最高の魅せプレイで盛り上がりたいですね。

以上が、パッチ25.09で実装予定の主な変更点の概要です!皆さんが精霊の花祭りテーマのサモナーズリフトで実際に降り立つ日を、チーム一同楽しみにしています。なお、いつも通りPBEとライブ環境では内容が多少変更される可能性がありますので、最終的な内容はパッチノートでご確認ください。 

今後も皆さんからのフィードバックを参考にしながら、必要に応じて追加調整をしていきます。皆さんにSeason 2を思いきり楽しんでもらえることを願いつつ──サモナーズリフトでお会いしましょう!