プレイヤー行動システム:2020年10月のアップデート

検出システムと報告機能の精度向上に関するアップデート。

皆さん、こんにちは。プレイヤー行動システムに関する10月のアップデートです。今月は新たにお伝えしたいトピックがいくつかありますが、まずは現在取り組んでいる課題と、今後の目標についてお話ししたいと思います。

目標と現状のアップデート

私たちは数ヵ月前、特に意図的な敗北やAFK(離席行為)を対象に、以下のような目標を掲げ改善に取り組んできました。

  • 悪質行為が発生した場合に、試合への影響を軽減する
    • 早期の降参(進行中)
    • 減少LPの軽減:ランク戦でAFKや意図的なフィード(利敵行為)が検出された際、減少LPの緩和を行う(進行中
  • まずこういった行動をとらせないよう「抑止」する
    • AFKが検出された際のペナルティーとキューへの参加制限を厳格化する(パッチ10.19で導入
      • AFKのペナルティー適用が全世界で10%増加
      • ペナルティーの増加に伴い、各地域で全体的なAFK件数が低下
    • AFK行為の検出システムを改善(パッチ10.20で導入
    • 意図的な敗北の検出システムを改善(進行中 - パッチ10.21で導入予定
    • あらゆる悪質行為の検出精度に関するアップデート(進行中 - 詳細は以下をご覧ください!

パッチ10.21では、意図的なフィードや悪質なプレイヤーの検出能力が向上する予定です。現在まで使用されている既存のシステムでは、「繰り返しのフィード」と「累積デス数の多さをもとに検出を行っています。パッチ10.21のアップデートでは、それぞれのデスについて明確に詳細をチェックし、意図的と思われるデスのフラグ付けを行います。これにより数回しかデスしていないプレイヤーでも、ただ単にプレイが上手くいかなかったのか、意図的にフィードしたのかを区別して検出することが可能となります。

検知システムの各アップデートは、他に悪影響を出すことなく下記の内容を最低でも1つは達成することを目標としています。

  • 以前より違反者の検出数を増やす 
  • 違反者の検出を早める 
  • 誤って健全なプレイヤーを検出してしまう被害を減らす

現在の取り組みは著しい違反者を1試合の内に検出してペナルティーを与えることですが、一部の判断が難しい行動については、確信を持ってペナルティーを付与するのに数試合かかってしまうことがあります。次のアップデートでは、そうしたペナルティーの判断に数試合必要な行動でも、1試合の内に確実な判断を下してペナルティーを与えられるようにしたいと考えています。今後も長期的に、意図的なフィードへの有効的な対策を模索していくつもりです。

ホットトピック:報告機能の信頼性と正確性に関するアップデート、そして皆さんについて

2ヵ月前に掲載した8月のアップデートにおいて、私たちが手動で何百もの試合を検証したことについて触れましたが、おかけで多くのことが分かりました。さっそく重要なポイントについて見てみましょう。

  • 判断が難しい試合での悪質行為の兆候は、私たちが論理的な話し合いをするより、プレイヤーの報告をもとに特定する方が有効的であった。  
  • すべての報告が平等な基準にもとづいているわけではなく、迷惑行為を一貫した基準で適切に判断できているプレイヤーもいれば、試合が終わるたびにとにかく報告ボタンを押している、というプレイヤーもいました。  
  • 1試合での検出システムには、間違いなく進歩が見られています。ですが、それぞれの試合が正確に評価されているとしても、短時間に連続して試合があった場合、複数の試合にわたってプレイヤーがどのような行動をとっているか全体像がつかめていないことが分かりました。

これらを踏まえ、数ヵ月にわたって私たちが取り組んできた、最新の検出システムをついにご紹介することができます。ビッグデータによる黒魔術を使って完成させたのが、新たな試合後行動認識システムの初期バージョンです。

このシステムは長期間にわたるプレイヤーの行動の変化を計測、照合することで機能します。これにより、「レーン戦で大敗して思うようにいかなかった試合」と「チームメイトがただ自陣のネクサス周辺を20分間走りまわっていた試合」を区別することが可能となります。また長期のプレイヤー行動履歴を活用することで、ペナルティーを付与する、また解除する時期の判断をより正確に通知することができます。

最終版のシステムでは、以下のようなことが可能となります。

  • 現在の1試合における検出システムと比べ、頻繁に迷惑行為を行っているプレイヤーを特定して、より厳しいペナルティーを付与することが可能となります。また、迷惑行為を行っている頻度が高いほど、付与されるペナルティーも重くなります。これについては、すでにAFKや退出のペナルティーに導入されていますが、その他の迷惑行為にも対象を広げていくつもりです。  
  • 「他プレイヤーの迷惑行為を一貫した基準で適切に判断できるプレイヤー」と「試合が終わるたびに、とにかく報告ボタンを押しているプレイヤー」を区別できるようになります。  
  • 迷惑行為をするプレイヤーに、行動改善の機会を提供できるようになります。新システムの長所のひとつが、長期間にわたって行動の変化を追跡できる点です。迷惑行為をするプレイヤーから効果的に試合を守りつつも、行動を改善したプレイヤーにはゲームに復帰できるチャンスを残しておきたいと考えています。

このシステムを意図的なフィード、妨害、試合放棄をするプレイヤーで検証したところ、結果は良好でした。初期のテストにより、検出件数と検出精度を同時に高めることは可能であると分かっています。

今後の数ヵ月間でこのシステムを調整して検出精度を高め、追跡できる行動の種類を増やし、そしてライブサーバーでの実装を試みるつもりです。