/dev: プレイヤー行動システムのアップデート - 2023年5月
皆さん、こんにちは!プレイヤー行動システムチームでプロダクトリードを務めているHana
“TimTamMonster”
Dinhです。今回は、長年LoLプレイヤーを悩ませてきた問題──ゲーム内での悪質な振る舞いに対処すべく、最近私たちが導入した変更や機能の成果について詳しく見ていきたいと思います。
以前からお伝えしているように、私たちはプレイヤー行動システムの効率性を高めるべく、常に新たな戦略とアプローチを試しています。LoLのプレイヤー体験を守るシステムの有効性について、皆さんが不満を持ってきたことは理解しています。そこで、私たちは皆さんからのフィードバックを活用すると共に、この分野で様々なリサーチを行い、最も緊急性の高い問題に対処できるよう、新たなソリューションを試すことにしました。
今のところ、皆さんからは好感触を得ており、「最近の変更によって、試合中のプレイヤー行動に大きな改善が見られるようになった」という意見が寄せられています。まだまだ解決すべき課題はありますが、これらの変化を見て、私たちが正しい方向に向かっているという確信を強めることができました。皆さんの試合体験が損なわれることがないよう、悪質行為を防ぐ上でより効果的な方法を今後も模索していくつもりです。
すでにご存知の方もいると思いますが、私たちが導入した大きな変更点は以下のとおりです。
- 自動ミュートは、チャットに書かれた禁止ワードを試合中に自動検出する機能で、メッセージの送信を未然に防ぐと共に、発言者をシステムによって自動でミュートして、その措置を全プレイヤーに通達してくれます。
- アップグレードされた“試合に依存しないテキスト評価サービス”(略称「GATES」)の機械学習モデルの完全統合により、以前の15倍を上回る数の悪質なテキストに対して措置を取れるようになりました。これは何ヶ月もかけて取り組んだものなので、無事にリリースできたことを嬉しく思います。
2022年末に上記の変更を行って以降、悪質行為に関する体験が大幅に向上したという意見が皆さんから寄せられています。
具体的には、アンケートにおいて以下の改善が見られました。
- プレイヤー行動分析システムはゲーム体験の品質の維持に役立っている:7%向上
- ライアットゲームズは悪質行為を防止する効果的なプログラムを実装している:9%向上
- ライアットゲームズは前向きな行動を促進する効果的なプログラムを実装している:6%向上
試合に依存しないテキスト評価サービス(略称「GATES」)の機械学習モデルを完全統合したことにより、悪質なテキストの検出数が15倍以上に増加。
こうした結果から分かる重要なポイントとしては、「違反が行われてから、ペナルティ措置が取られるまでの時間が短縮された」、「システムが安定して最大数のプレイヤーをカバーできるようになった」、「悪質行為によって傷つけられる前に、プレイヤーを保護できるようになった」ということが挙げられます。
今年はこの他にもいくつか機能をリリースしており、「グループチャット」ではプリメイドのチームメイトとだけチャットできるようになりました。ロビー全体とチャットするよりも、プリメイドのメンバーとだけコミュニケーションを取る方が、より安全で保護された環境を生み出すことができます。また、自分自身や他の全プレイヤーをミュート状態にしつつ、自分がチャットを利用しないことを他プレイヤーに通知できる、新たなチャットコマンドを追加しました。最新の変更としては、試合中のプレイヤー報告機能がついに導入され、悪質行為が発生した際、その場で報告を行えるようになりました!これにより、リアルタイムで追加措置を取れるようになり、試合におけるプレイヤー行動の改善に繋がっています。
私たちは、試合体験を損なう行動への既存の対策についても、改善を続けています。最近では、複数の報告カテゴリーに渡って信頼性モデル(確率論の計算を用いて、報告数に基づき悪質行為を判断)の適用範囲を拡大すると共に、プレイヤーが試合を途中退出またはAFKするたびに、ペナルティを付与するようにしました。
今後の予定
数ヶ月後のアップデートで、システムによるペナルティを受けたプレイヤーが、ランク戦のプレイを制限されるようにする予定です。つまり、意図的なフィードや頻繁なAFK、有害なチャットなどの悪質行為が原因でペナルティを受けると、ランク戦へのアクセスが制限され、再びランク戦をプレイするには、他のキューをプレイして制限を解除しなくてはならなくなります。
もちろん、悪質行為が他のキューに移ってしまうという懸念はあります。ですが、ランク戦はその性質上、他のキューよりも悪質行為がはるかに発生しやすい傾向にあるのです。また、これらの制限は既存のペナルティに追加される形で行われるので、繰り返し悪質行為を行っているプレイヤーはアカウント停止措置を受け、一定期間どのキューであろうとプレイできなくなります。とはいえ、この変更のリリース後も、他のキューで悪質行為が如実に増加していないかの監視は行っていくつもりです。
最後になりますが、ご存じのとおり、今年からランクシーズンが2つのスプリットに分割されました。ですが、最初のスプリット終了時に個別の名誉褒賞は存在せず、名誉レベルはこれまでと同じ1年単位で計算が行われます。ですので、シーズン終了時の褒賞は年末に配布していく予定です。
今回の記事は、ほとんどがテキストやソーシャルベースのインタラクションに関する内容でしたが、より直接的に試合に影響する振る舞いについても注目しており、それに関連したアップデートについて近日中にお伝えするつもりです。
悪質なプレイヤー行動は非常に重要なテーマですので、時間をかけて研究を続け、アプローチの改善を行っていくつもりです。また、良好な結果が出ている部分に関しては発展させていき、いくつかのアプローチに対してより大規模なテストを実施していきたいと考えています。今回のアップデートは以上です。いつもフィードバックをお寄せくださり、ありがとうございます。試合体験をリアルタイムで向上させる機能を今後も導入していくつもりですので、ぜひご期待ください。